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家族に疎まれて、醜穢令嬢として名を馳せましたが、信用出来る執事がいるので大丈夫です  作者: 花野拓海
二章 しかし、概して人々が運命と呼ぶものは、大半が自分の愚行にすぎない。
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自分本位ブレイド

前回のあらすじ


アイト「よく眠ってましたね」


レベッカ「帰りたく、ないな」

 森を抜けて草原に出て、街に入る。

 たったそれだけの時間なのに、レベッカにとってその時間は手放しがたい特別な時間になっていた。


「レベッカ。もう少しで着きますよ」


 今、アイトはレベッカが怒られないように屋敷まで送ってくれている。

 これだけの時間。抜け出しているのであれば絶対に誰かにバレている。


 捜索されていないのは、住民にあらぬ疑いをかけられぬために。


 屋敷からレベッカの姿が確認できる所まで出ると、使用人たちはレベッカの存在に気がついた。


 レベッカが門の前まで到着すると、数人の使用人が押し寄せて来た。


「ちょっとレベッカ!あんたどこ行ってたの!?」


 文字だけ見れば心配して言ってるようにも見える。

 だが、その使用人の目には怒りと心配の感情はなかった。

 かわりに、憤怒の憎悪の感情が灯されていた。


「あ、えっと………」


 思わずなにも言えないでいるレベッカに、使用人たちはなにか後ろめたいことがあるのではないか。

 そう考えて門越しに問い詰めようとしたが、


「少し待ってください」


 それをアイトが止めた。


「あ、アイト、さん………」


 使用人の中でももっとも立場が上なアイト。それは休暇中とは言えど、その発言力は健在だった。


「彼女は僕が外に連れ出したのです。文句があるのであれば僕に言いなさい」


 そのはっきりとした言葉に、誰もなにも言えなかった。


 だが、使用人たちの目には諦めは写っていなかった。


 アイトは「はぁ」とため息を吐くと、言葉を続けた。


「それと、今回に関するレベッカに対しての理不尽な制裁は認めるわけにはいきません。それが発覚した際には、僕も平常を保てるかわかりませんので」


 その一言で使用人たちはレベッカに対する今後の暴力を諦めた。


 たとえレベッカが黙っていても、アイトなら確認し、確定させて、レベッカを痛みつけた者に容赦なくその力を振るうだろう。


 ならば、レベッカに対する攻撃はそれだけで自分の首を締めることとなる。

 それはレベッカの今持っている持ち物に対しても同義。


「アイト、か………」


 だが、そこへヴァインヒルトがやって来た。


「旦那様………」


 ヴァインヒルトはこの屋敷の持ち主で、アイトの雇い主。ヴァインヒルトならば、アイトに一言申せるのではないか。


「そうか」


 ヴァインヒルトはそう呟いて少し考える。

 そして使用人たちの浅はかな希望は


「お前なら、よい」


 簡単に崩された。


「旦那様!?許しても大丈夫なのですか!?」


 一人の使用人がヴァインヒルトに尋ねるも、


「普通なら、な。だが、アイトなら良い。それよりも、レベッカを差し出すだけでアイトをある程度拘束できるのであれば安いものだ」


 ヴァインヒルトはそう判断した。


「旦那様の賢明な判断に感謝します」


 アイトのその一言でヴァインヒルトは確信した。

 今のアイトの一番はレベッカであり、今まで通りの多少の暴力は見逃そうと考えてはいるのだろうが、理不尽すぎる制裁を与えた際にはこの家そのものに牙をむくと。


「今は、お前を敵にする余裕はないからな」


 だから、ヴァインヒルトはそう判断した。


「お前たちにも、今後レベッカに対する干渉を認めぬ」


 その一言に使用人たちは絶句し、レベッカも呆気にとられている。

 だが、アイトだけは気がついていた。


 ヴァインヒルトは、アイトがレベッカに対する多少の暴力を見逃すことをわかっていたのだろう。


 アイトとて聖人君子ではない。怒る時は怒る。

 そして、急に使用人達に暴力を禁じる発言をしても、逆に隙を見て行動に移すだろう。

 それをアイトが認めないことをわかっていながら。


 だが、ここで全面的に禁止してみてはどうだろう。


 ヴァインヒルトの言葉の意味。レベッカに対する干渉を認めぬ。それは、暴力だけではない。レベッカの部屋の掃除も、食事を運ぶことも、部屋に入ることも、会話をすることも、なにもかも認めないと言ったのだ。


 つまり、レベッカを空気と捉えよと。


「旦那様」


 だから、アイトの発する言葉は一言。


「僕に、それを守る義務はございません」


 アイトのその一言に、ヴァインヒルトは「わかっている」と、それだけ言って屋敷に戻って行った。


「アイト………?」


 不安そうにアイトを見てくるレベッカの頭を、アイトは撫でる。


「わっ!」


 急なことに驚きながらも、レベッカはアイトの顔を見ようとするものの、アイトの押さえつける手が強すぎてアイトの顔を見ることは叶わなかった。

Q.使用人たちが怒ってたのって、レベッカ痛みつけれなかったからじゃ?

A.半分はそう。レベッカの失踪が発覚したのは、レベッカを嬲ろうとした使用人がレベッカの部屋に行ったから。怒ってるもう半分の理由は、仕事が増えたから


Q.なんでアイトはレベッカが暴力振るわれるのを容認してるの?なんで見逃すの?

A.理由はある。でも今はまだ言わない


Q.ヴァインヒルトってアイトのこと制御できてないよね?

A.ぶっちゃけるとそう


正直、2章がどれくらいになるのかわからないけど、ゆっくりと付き合ってくれると幸いです


よろしければブックマークや評価、感想もよろしくお願いします

作者のやる気に繋がりますので

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