表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/111

好きな人にキスするシチュエーションって、憧れてたけどそんな相手がいないんだよなぁ

前回のあらすじ


アイト「お嬢様を守ります!」


レベッカ「ステラが!」


あらすじだけ見たら、微妙にすれ違っている2人。

さて、レベッカは今回、正気でいられるのでしょうか!

 レベッカが目を覚ますと、見た事のある天井が見えた。


「ここって………」


 レベッカもよく知る、屋敷にある自室だ。


「ふぁぁぁ」


 小さな欠伸をしながらレベッカは起き上がり、昨日のことを思い出そうとすると、


「おはようございます。お嬢様」


 アイトがやってきた。


「?おはよう、アイト。今日はいつもより来るのがはやいね」


 疑問を感じながら、挨拶をすると、


「そうですね。今日は少し、お嬢様に来て欲しい場所があります」


 そう言うと、アイトは突然レベッカをお姫様抱っこで連れて行った。


「え?えぇ?」


 あまりにも突然の事態に気が動転する。


「すぐに着くために加速しますね。舌を噛まないように、気をつけてください」


「そ、そんなこと言われたってぇぇぇぇ」


 そんなレベッカをアイトが連れて行った場所は、墓地だった。


「ここ、は?」


「ここには、今回の殺人事件による被害者たちが眠っている場所があります」


 やがてたどり着いた一つの墓。


「あっ………」


 レベッカは、寝惚けていた頭が覚醒して、昨日の事を完全に思い出した。


「お嬢様、気をしっかりもってください」


 アイトにそう言われて、あと一歩のところで踏みとどまる。

 だが、目の前にある墓、ステラの墓を見ると、とても正気を保てずにはいられなかった。


「私の、せいで………」


「そんなことは………」


「そんなこと、あるもん」


 アイトが言っているのは、悪魔の子による厄災のことだろう。だが、今回のステラの死は、そんなもの関係あろうがなかろうが、ステラの死はレベッカ自身のせいなのだ。


 救いたいと、思った。助けたいと、思っていた。だけど現実は非情で、レベッカがなにかをしたいと願う度に運命はそれを妨害してくる。


「私が、しっかりしていれば………」


 レベッカが、油断せずに周囲に注意していれば、魔獣の接近くらい、簡単に察知することができたはずなのだ。


 レベッカは、5歳になった後に伝えられた自身の恩恵(ギフト)を思い出す。

 【襲来の厄災】。それがレベッカの恩恵(ギフト)の名前。その名前の通り、周囲に厄災を呼び寄せるという力だ。


「私の、せいで………」


 ステラにも、レベッカがいなければ、幸せな人生を送れたかもしれないのだから。


「アイト、私って、生きてない方がいいんじゃないかな?」


 レベッカは静かに涙を流す。自分にそんな資格はないと、そう思いながらも泣かずにはいられなかった。


「私、どうしたらいいのかな?」


 なにもできないのに、なにか自分にできることを考える。


「私ってもう、誰にも必要とされてないよね」


 そんな後悔と自責の念に囚われて、自分で自分を殺しそうになっているレベッカを、アイトが優しく抱きしめた。


「………アイト?」


 アイトの突然の行動に困惑するレベッカ。普段ならば、赤面するものの、今はそんな余裕はレベッカにはない。


「気をしっかりもってください」


「もってるよ。アイトだって、私の事、嫌でしょ?迷惑、してるでしょ?」


 きっと、もうアイトだってレベッカと一緒にいるのは嫌だと、そう考えたからこその言葉だった。だが、


「そんなこと、ありません」


 アイトは、レベッカのその考えを否定した。


「なんで?もう、私みたいな人とは」


「僕がいつ、お嬢様を拒絶しましたか?」


「………」


 アイトはいつだって、レベッカの味方をしてきたのだ。


「誰もお嬢様を必要としないなら、僕がお嬢様を必要とします。誰もお嬢様を大切にしないなら、僕がお嬢様を大切にします」


「………なんで、そんなに私を心配してくれるの?」


 たとえ専属執事だとしても、これは少々やりすぎだ。

 そう考えて、アイトの顔を見上げる。


「きっと、今のお嬢様にはなにを言ってもきかないでしょう」


 効果はない。そう考えながらも、


「なので、行動で示したいと思います」


 なによりも効果のある行動として


 アイトは、レベッカの唇に口付けをした。

Q.レベッカって朝は前日の記憶がないの?

A.ないわけではない。けど、かなりあやふや。なので前日のことは起きた後に思い出そうとするのはいつものこと


Q.ステラって、本当にレベッカがいなかったら幸せな人生を送れたの?

A.無理ですね。なんならもっと酷い結果になってた。だからレベッカはある意味救世主


Q.ついにラブコメが始まるのですか?

A.やっとその気配が漂って来ました


Q.ステラって、捨て駒………?

A.断じて、違う。最初からそんな予定はなかった


ついに一歩踏み出したアイト。突然ファーストキスを奪われたレベッカ。今後の2人の関係は!?


ブックマークや評価、感想をして次回を楽しみにしててください!

してくださると、作者が大変喜びます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ