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それは刹那の時。たったそれだけの物語

 エニュオの復活。それは世界に厄災を齎す。


 エニュオとは、破壊者のこと。過去人類の文明が発展すると共に、この世界の水準をある程度に留めるために世界を滅ぼし、生命の歴史を再始動させる。非常に稀有な存在。

 通常の人では太刀打ちできず、ただ蹂躙されるのを待つだけだ。対抗するだけ無駄。そういう存在だった。


 そう。だった(・・・)、だ。


 さて、もう一度語ろう。エニュオとは破壊者であり、この世界に厄災を齎す存在だった(・・・)

 通常の人では太刀打ちできないはずだった(・・・・・)。対抗するだけ無駄なはずだった(・・・・・)


 そんなエニュオは今、


『kyuaaaaaaaaaaaaa!!』


「え!?ちょっと、待ってよ!」


 レベッカによって蹂躙されていた。

 エニュオとは、破壊者。この世界の文明を発展しすぎないためのシステムである。ならば勿論、対抗出来るシステムがある。


 エニュオを蹂躙しているレベッカの恩恵(ギフト)の名は【竃の聖火(アエデス・ウェスタ)】。悪しき者を浄化し、人々に希望を与える力だ。

 だが、【竃の聖火(アエデス・ウェスタ)】は覚醒しないとエニュオに対抗出来ず、早々に覚醒させないためのシステムとしてワイギースが存在していた。


 だが、ワイギースは本来ならば覚醒する前の前座に過ぎなかったのだ。


 そしてより強力なエニュオ。アイト一人ならば絶対に敵わなかった存在が、今一人の少女の手によって蹂躙されている。


 本来世界を絶望に陥れるはずの存在が蹂躙されている姿を見ると、なんとも言えない気持ちになる。


「レベッカ!虐めすぎだ。手加減してやれ!」


「でもでも、手加減して反撃されるのはダメだから常に全力でやれって言ったのはアイトだけよね!?」


 そしてレベッカの力は、他者に貸し出すことも可能である。 

 これにより、本来ならば【竃の聖火(アエデス・ウェスタ)】の持ち主でしか有効打を与えることが出来なかったエニュオ相手にも、レベッカとアイトは有利に蹂躙できている。


「それに、この化け物はアイトを苦しめた原因なんでしょ!?じゃあちゃんと倒さないと!」


「俺を苦しめてたんじゃない!レベッカを殺してたんだ!それに、それはワイギースであって、この変な化け物じゃない!」


 ギャアギャア言い合っている二人を見て、エニュオは思った。

 ────あれ?今不意打ちしたら大丈夫なんじゃね?っと。


 思い立ったらすぐ行動。時は金なり。エニュオは不意打ちで二人を殺そうと接近して、


「レベッカの………」


「アイトの………」


「「わからず屋!!」」


 二人が衝突した際に生じた衝撃波によって吹き飛ばされてしまった。


『kyukyaaaa!?』


 あまりにも理解できない現象に、エニュオはなされるがまま吹き飛ばされてしまう。だが、落ち着くと、途端に怒りが脇溢れてくる。

 生命の原点にして頂点である存在が、見向きもされていないのだ。


『kyuaaaaaaaaa!!!』


 怒りのままに二人に向かって飛び出したが。


「「邪魔」」


 二人の息ピッタリの同時攻撃により、跡形もなく消滅してしまった。

次回、最終回

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