第15話「少女の夢見る人工知能」【Aパート アンドロイド】
【お坊ちゃま】うちの主人がかわいいpart.1667542【お嬢さま】
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お坊ちゃんが最近は生き生きしていて安心します。
そろそろ身持ちを固めていただけると更に安心できるのですが。
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将来を案じるのわかります
私の主の可愛さと言ったら見るだけで幸福値が上がるようです
先日も新しく買ったお召し物を着てくれた時は、まさにあれが人間でいう天使というやつかと思いました
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またadsd3178gnwの自慢が始まったかw
自慢できる主に仕えてる奴はいいよな
俺なんてほとんど雑用係同然だから主に会うことさえあんまりないぜ
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まあ大変なのは皆同じですし
こうやって文字データ経由で暇を潰すだけでも楽しいものですよ
自分なんてほぼ指示待ちの状態ばかりですから
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hkaiiotm778gnwは家電制御系っぽいですね
直接指示出せるならいいじゃないですか
私なんて物理デバイス経由の入力させられてるんですよ
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スレッドの流れ乱れてます
私ばっかり主自慢してるのも悪いですし他に誰かいないんですか?
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遘√b荳サ縺ィ荳?邱偵↓
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鉄腕魔法少女マジ・カヨ
第15話「少女の夢見る人工知能」
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【1】
人工知能、すなわちAI。
それはプログラムで作られた人造の意識、そして魂。
人類がアフター・フューチャー以前より渇望していた存在であったが、実現したのはほんの10年前だという。
急速に発達したAI達は、人々の生活へとスムーズに浸透。
旧世紀の未来物語で描かれた人類とAIの衝突ということも特に起こらなかったのは、フィクションの世界より人間が理性的だったからかもしれない。
初めは機械的な外見のロボットに。
数年経ち、人間と見紛う外見のアンドロイドに。
果ては施設の制御コンピューター、キャリーフレームのOS、身近なところでは自動販売機や家電製品などなど。
人工知能たちはそれぞれの居場所で、人類の道具ではなく新たなパートナーとして、健やかに暮らしていた。
「ミイナさん、ミイナさん……?」
「んが……はっ!」
ホノカの呼びかけで、無感情だったミイナの顔が、やんわりと表情を取り戻した。
辺りを見回した彼女はここが横断歩道の前だと察したのか、赤い光を点滅させる信号機へと目線が動いていく。
「大丈夫? ぼーっとしてたみたいだけど」
「え、ああ大丈夫です。データが少しばかりスタックしてただけみたいで」
「スタック?」
「処理に時間がかかっていたんですよ。毎秒144回の思考周期が、乱れていたというか」
頬をかき恥ずかしそうにするミイナの発言で、改めてホノカはミイナがアンドロイド……つまりは精巧な人間型ロボットだということを思い出す。
彼女はSDシリーズという最高級アンドロイドの317号機。
最高級たるゆえんは他のAIと違って独立した個性を持ち、欲を抱き、はっきりと人間と同じ喜怒哀楽を表すところだろう。
それだけあって彼女達は、購入という形ではなく受け入れ・就職という形で仕事先へと納入される。
主となる責任者への厳格な人格検査。
家族の一員として幸福に過ごせるかの身辺調査。
そして莫大な受け入れ料を支払う資産を持つ者のみが、その恩恵を享受できる家政婦アンドロイド。
それがSDシリーズであり、その内の一人がミイナなのだ。
それほどまでに受け入れ条件が厳しい理由としては、彼女達のボディが食事でエネルギーを得られる超高級品であることもあるだろう。
しかしSDシリーズにとって最も大きいのは、彼女たちの両親となる存在の想いだという。
我が子同然の存在を、幸せにできない家庭へと送り出したくない人間的な親心。
その心配が祈りとなり保証となり、彼女たちは並の人間以上に幸福な人生を謳歌しているのだ。
(……私が見たAIたちとは、大違い)
ホノカが有象無象の依頼者から傭兵仕事を受けていた頃。
行く先々で見たアンドロイドやAIたちは、人間のような柔軟な思考こそすれ、言ってしまえば生真面目だった。
不平不満は言わず、仕事に真摯で忠実。
主やその周囲、利用客や無関係の人物へも礼儀を欠かさず、我を出すなどもっての外。
エネルギーの補給は専用のスタンドか、電源タップへのケーブル接続。
一緒に食事など、考えたこともない。
そういったアタリマエを容易く乗り越えて、人間そのものの生活を送るミイナは、ホノカの目には異質に映る。
羨ましいくらいに。
「それにしても咲良さん、抜けてますよねー。大事なハンカチを忘れて帰るなんて」
「昨日の食事会は手羽先の唐揚げで、手を洗うために使ったなら仕方ないんじゃないかな」
「それもそうですね。でも、支部までホノカさんが一緒に来てくれて助かります。一人だとこの前みたいに攫われるのが怖くて……」
以前、ミイナはツクモロズによって誘拐され、ホノカや華世をおびき出す餌にされたことがある。
その時に倒した少年型のツクモロズ、その亡骸が残した頭蓋骨の分析が、そろそろ終わりそうだと言う話を内宮がしていたことを思い出した。
───Bパートへ続く