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第7話 新聞部期待のコンビ レナ&リナ

 今日も、生徒会室では生徒会活動がおこなわれていた。


「会長、今日何かあるんですか?」


 土筆ちゃんが作業していた手を止めて言う。


「今日は新聞部のインタビューがあるんだよ」

「インタビューか……今年は誰が来るんだ……」


 ため息混じりに俺は呟いた。


「去年は誰だったんですか?」

「今の新聞部部長だったんだけど……」

「カズくんは、カノンちゃんに質問攻めされてたもんね」


 去年は現新聞部部長がインタビューに来て、俺は、生徒会での人間関係だの、恋愛関連などを立て続けに質問し続けられ苦労させられたのを覚えている


「あれは堪えました」

「今年はカノンちゃんの後輩の一年生、二人だって。新聞の時期エースだ、って自慢してたよ」

「あの人がそう言うなら、まともな気がしないなぁ」


 俺がそう言うと、ちょうどその時、扉をノックする音が聞こえた。新聞部の部員が来たのだろうか?


「とうぞ」


 会長が告げると、扉を開き二人の人影が入ってきた。


「どこからともなく現れ、あらゆる謎を解く完全欠陥の探偵、一年D組竪三沢(たてみざわ)莉奈(りな)! 人呼んで名探偵リナここに見参! 私に暴けぬ秘密などない!」


 探偵帽とローブを制服の上から着た探偵風の小柄な少女が高らかに宣言する。莉奈と名乗った少女は桃色髪をツインテールにしていて顔は会長より子供っぽく完全にロリだが中々に整ってる。驚くべきは胸でかなりの爆発力を兼ね備えた爆弾だ。


「……えーと、完全無欠じゃなくて?」


 会長が間違った四字熟語を指摘すると、莉愛は慌てたように言う。


「そ、そうとも言います!」

「いや、そうしか言わないよ」


 こんな感じなやり取りをしていると、今度は莉愛の隣にいる少女がメモ帳を取り出した。


『同じく一年D組、木賊(とくさ)玲奈(れな)ここに登場』


 こちらも小柄な少女で探偵帽は被ってないもののローブは身につけている。だが、こちらは莉愛と違った雰囲気でロングの黒髪で整った顔立ちなのだが、表情に乏しい感じがする。


「あれ? 一年D組ってことは、土筆ちゃんと同じだよね」

 

 俺はふと思った疑問を口にした。


「えぇ、まぁ、そうです。莉奈と玲奈は授業中に突然消えたりすることから一年D組の三大変人に数えられているんですよ。あとひとりは誰やら」


 たぶん、それは土筆ちゃんのことだと思うよ。もちろん口には出さず心の中で呟く。


「果たし状通り、生徒会の秘密を暴かせてもらいます!」

「果たし状? そんなのなかったけど」


 頭にはてなマークを浮かべる会長。そんな会長に莉愛があり得ないとばかりに追及する。


「生徒会のアンケートで送りつけたやつですよ!」

「あ、それ俺が処分しました」

「なっ! 何してくれてんですか!」

「いや、だって後期に来る的なことだから取り敢えず捨ててもいいかなと思って」

「時が来たらという意味ですよ!」

「それ、後期じゃなくて、こっちの好機」

 

 俺は莉愛に紙に書いて教える。莉愛はそれを見ると顔を赤くして取り(つくろ)う。


「そ、そうとも言います!」

「そうとしか言わない」

「と、ともかく、この私、名探偵リアと相棒のレナが新聞部として生徒会にインタビューをさせてもらいます。この私に隠し事はできないので観念するといいです」


 自信満々に告げる莉愛。その自信はこの見た目のどこから来るのか。


 それにしても、


「それにしても、あのおっぱいは凄すぎだろ。Fカップか……いや、Gあるんじゃないか、これ。しかも、ロリな美少女だし。まじでヤバイだろあのロリ巨乳」


 凛華先輩の言葉に俺は焦りを覚え、誤魔化そうとした。


「ちょ、凛華先輩、なんのことか分からないんですが」


 しかし、かなうはずもなく、


「だってしょうがないじゃん、あれ男のロマンそのものだよ。芸術といっても過言じゃな。男として、でかいおっぱいを求める衝動を抑えられようか、いやない」

「本当に申し訳ありませんでしたっ! お願いですからもう、やめてくださぁい!」


 その後も心の声を朗読され、俺は速攻で凛華先輩に土下座をした。


「なっ、な、な!」


 赤面しながら手を交差させ胸を覆い隠し、あたふたする莉愛。

 そして、俺の近くではおぞましいほどの負のオーラがただよっていた。


「カズくん……」

「変態和也」

「和也先輩はロリコンさんなんですか?」


 視線が痛い。

 生徒会女性陣から向けられる視線はもはや人を見る目ではない、ゴミを見る目だ。


 すると、突然、玲奈が目の前にいた。


「わっ!?」


 驚いて声をあげてしまった。いつからいたんだ? ほんの先までまったく気づかなかったぞ。


 玲奈は全く気にする様子もなく、メモ帳に何かを書いている。書き終わったかと思うと、それを切り取り俺の前に差し出した。


「ん? 紙? これは……」


 受け取った紙を見ると、


 胡蝶蘭 陽菜 C

 笹垣 凛華  D

 剣城 土筆  C

 東条 カレア A-


 それには生徒会メンバーの胸のサイズが書いてあった。

 ま、まじかよ……凛華先輩、Dカップなのか。会長も見た目にそぐわず結構あるな……。土筆ちゃんもCと普通にあるな。


 えーと、カレアは……。何これA-て、胸のサイズだよね!?普通はAAだと思うんだけど。たぶんこれAAではないんだけど限りなく小さいAカップということなんだろう。ちょっとこれは男の俺でも悲しくなるぞ。


 俺が内心叫んでいると玲奈はメモ帳を俺に見せた。


『500円』

「金取るの!」


 まぁ、ここまで貴重な情報ならしょうがない。俺は財布からワンコイン取り出し、渋々渡した。会長達には紙の内容はばれてないみたいだ。というか、ばれたらデッドエンドまっしぐらなんだが。


『まいどあり』


 玲奈はメモ帳を見せると、今度はふところから一枚の名刺を取り出した。そこには、


『盗撮、盗聴、情報取引 金さえあれば依頼を受けます。依頼があればここにメールを』


 という文章と玲奈のと思われるメールアドレスが書れていた。

 なんだろう、闇を感じる……。ん? 待てよ、盗撮もするってことはもしや……


「凛華先輩、この前の俺の写真ってもしかして――」

「何のことかしら、分からないわ」


 しらを切る凛華先輩。つまりはこうだ、この前、シチューが盗んだ写真は凛華先輩が玲奈に頼んだものということだ。


「凛華先輩、誤魔化そうだってそうは『さぁ、早くインタビュー始めましょ』」


 俺の言葉を凛華先輩が何事もなかったように遮る。

 絶対いつか問い詰めよう。俺はそう胸に誓った。


 かくして、新聞部による生徒会インタビューが開幕した。


少しでも「面白い」「続きが気になる」「このヒロイン好き」と思った方、ブックマークと評価の方をしてくれると嬉しいです。



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