第8話~楽しい夕食~
「俺がひ弱なのが良くわかったよ。
やっぱりこれからのためにもさっきのフェザーソードを買いたいな。」
「精神力だけで十分何とかなる気もしますが、買っておいて損は無いです。」
また武器屋に行き、フェザーソードを物色。
色々悩んだけど黒が好きで闇属性もあったので、ブラックフェザーソードと攻撃時の電撃で一瞬動きを止めることができるライトニングフェザーソードを買うことにした。
これから双剣士として経験を積むとするか。
まさかこんな日が来るとはね。
「ステータスオープン」
名前_:コウイチ
種族_:人間
体力_:27/48
精神力:668/9999
力__:15
攻撃右:515(+500)
攻撃左:510(+500)
防御力:374(+368)
魔防御:301(+300)
速さ_:471(+461)
幸運_:57
体回復:8(+5)
精回復:1000
火属性:3
氷属性:1
風属性:1
雷属性:251(250)
闇属性:374(+373)
装備:ブラックフェザーソード(右)・ライトニングフェザーソード(左)・闇の黒衣・天使の輪
【職業】
ガソリンスタンド店員:13
コンビニ店員:30
SE:2000
双剣見習い:1
【魔法】
火属性:ファイヤーボール
氷属性:アイスボール
風属性:ウィンドボール
雷属性:サンダーバキュームボール
闇属性:ダークボール
所持金:2,825,300リノス
ステータスがかなり上がったな。
その分所持金が半分近くまで減ったが・・・。
この世界でもお金は重要だね。
攻撃力が右と左に別れたな。
しかし双剣士ではなく、双剣見習いとは・・・。
これから経験を積めば変わるのかな?
「そろそろ宿に戻りましょうか。」
気が付けば既に外は真っ暗だった。
あんまり遅くなると、またあの親父さんが暴走しそうだし、とっとと戻るとしよう。
「ただいま、お父さん。」
「お帰り、ルーミー。色々買えたみたいだな。」
「かなり良い品を買えましたよ。
これもルーミーさんのおかげです。」
親父さんはニコニコしている。
ルーミーが褒められているのが嬉しいんだろうな。
とりあえず一安心だ。
「コウイチさんの凄いのも見せてもらったし、あんな大きいのなんてビックリしました。」
・・・この展開は。
「凄くて大きいだと!?
なかなか帰ってこないと思ったら、一体何をしてやがった!!」
くっ苦しい。
息が・・・。
「お父さん!!違うって!!
ちょっとゲームをしただけよ!!」
「ゲームだと?
ルーミーとはお遊びだったってことか!?」
だからそれ、火に油・・・
・・・体力待ってくれるかな・・・?
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体力が10位減ったが、何とか三途の川を渡らずに済んだよ。
本当に防御力は上がっているのかな・・・。
ルーミーに聞いてみると、直接首を絞められたから装備の防御力は関係ないそうだ。
ゲームとは違う現実世界だからこそだね。
注意しておかないと。
食事の時間までもう少し掛かるそうなので、素振りをすることにした。
ステータスも上昇するみたいだしね。
ただ、即座に反映されるわけではなく、睡眠や食事を取ると、ステータスに反映されるとのことだ。
属性だけは即時反映らしいけどね。
「コウイチさん、食事の用意が出来ました。」
「あっ、はい。今行きます。」
この世界の食事か・・・。
ちょっと楽しみだな。
あと、ご飯党としてはご飯があると良いけど。
「おぉ、これは凄く美味しそうだ!!」
色とりどりのサラダ。
肉団子入りの野菜たっぷりスープ。
メインは鳥の香草焼きだ。
そして嬉しいことにご飯もある♪
「何度も締め上げちまった詫びに、腕を降るって豪勢にしたよ。
遠慮なく食べてくれ。」
やっぱり親父さんが作ったのか。
見た目からはまるで想像できんな。
「いただきます!!」
まずはスープを一口。
野菜や鳥の出汁が効いていて、かなり美味しい。
続いてサラダを一口。
柚子ぽいドレッシングがかかっていて、これまた美味しい。
更にメインを一口。
匂いが鼻腔をくすぐり、食べると肉汁が溢れジューシーだ。
そしてやっぱりご飯。
これがないと食事をした気にはなれないよな。
お次はスープに入っている肉団子。
このコリッとした感触は、軟骨か!?
「コウイチさん。味はどうですか?」
ルーミーが恐る恐る聞いてきた。
横では親父さんが殺気を放っている。
なるほど、この肉団子はルーミーさんが作ったものなんだな。
「とっても美味しいです。
肉団子に軟骨が入っているから、触感も楽しめて良い感じですよ。」
ルーミーさんがほっと肩を撫で下ろし、親父さんがこれ以上ないくらいニコニコしている。
どうやら正解を選べたようだ。
今の体力で誤った回答をしたら、ゲームオーバーになりかねないからね。
「その肉団子はルーミーが作ったんだ。
軟骨を入れようと言ったのも、ルーミーだ。」
「もう、言わなくても良いのに。」
大正解の答えだったな。
良かった、良かった。
「それにしても親父さん。
凄い鍛えた体とはまるで関係ない仕立て屋と宿屋を何故やることに?」
「あぁ、元は拳闘士だったからな。
体を鍛えまくったは良いけど、着る服が無くて自分で作っているうちに、上手くなっちまったんだ。
料理も武者修行の旅の時に、よく野宿してたからな。
味にこだわるようになって、気がついたら上手くなっていたんだよ。」
なるほど。人に歴史ありだな。
「この町でルーミーが生まれてな。
ちょうど良い機会だから拳闘士を引退してこの町に落ち着いた訳だ。」
なるほどね。
それで得意な服と料理で、仕立て屋と宿屋を始めたという訳だ。
「ルーミーも俺に似てセンスが良いからな。
こうやって手伝ってくれるから助かってるよ。
それにレイラにも似て槍のセンスもあるし、美人になったしな。」
レイラ?母親かな?
そういえば見かけないな。
・・・聞かない方が良いかもな。
「お母さんは2年前に・・・」
しまった、気にしてるのが顔にでちゃたか?
「ドラゴンライダーになるって旅に出たわ。」
予想の斜め上を行ったな。
「レイラは言い出したら突っ走る性格だからな。
あと、数年は帰って来ないだろうよ。」
この父親と、その母親で、どうやったらこんなに良い娘が生まれるのやら。
しかし食事をみんなで楽しむなんて何時以来だろ?
こういう食事も悪いものではないね。