第2話~バッカス窃盗団~
「コウイチ、龍族の領域を抜けるぞ。」
1週間程掛けてのんびりここまで来た。
ここからはまず町探しだな。
地図を開いて・・・10キロ程先に町があるな。
「北に10キロ程行った所に町があるから
まずはそこを目指そう。」
「コウイチ様、ちょっと待って下さい。
龍姫は町に入れるんでしょうか?」
「あっ、どうなんだろう。
龍にも反応しちゃうのかな?」
「何の話じゃ?」
簡単に龍姫に説明すると
「人形態なら多分大丈夫じゃろう。
駄目だった無理矢理入るから大丈夫じゃ。」
「それは大丈夫じゃないよ。」
「バレない様に行えば良いのじゃな?」
「・・・龍姫ならそれも出来るか。
買い物だけだからそんなに長居もしないし。」
「うむ。」
「じゃあ、行くとしよう。」
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「このクリスタルに触れてくれ。」
「分かった。
龍姫、触れてみて。」
「うむ。」
・・・反応なし。
どうやら大丈夫の様だ。
「はるかも触れて。」
「はい、コウイチ様。」
はるかも問題ないな。
これで安心だ。
「じゃあ入るとするか。」
「ちょっと、お前さんも触れて貰わなくては
困るぞ。」
2人が大丈夫だったから、
安心して自分のを忘れていたよ。
「はい、これで良いかい?」
「!?」
白に黒に緑にと色々変わってるな・・・。
もしかしてかなり不味い状況なんじゃ・・・。
「人間に魔族に龍族の反応!?
一体どうなって!?」
門番も混乱しているようだ。
捕まる前に逃げた方が良いか?
「・・・壊れたのかな?
ちょっと新しいのに変えてくるので
待ってて下さい。」
門番はクリスタルを持って門の中に入って行った。
「困ったな。まさか俺が入れないなんてね。」
「コウイチ様。
魔の力と龍の力を何処か1ヶ所に集める事は
出来ますか?」
「1ヶ所に?」
「はい。
1ヶ所に集める事が出来れば、
他の部分は人間としての力のみになるので
突破出来るかも知れません。」
試してみるしかないか。
左手に魔の力と龍の力を集めて・・・。
「お待たせしました。こちらに触れて下さい。」
上手くいってくれよ・・・。
「あっ、今度は大丈夫ですね。
こちらの不具合でご迷惑をお掛けしました。」
「いえいえ、気にしないで下さい。」
何とか無事に通れたよ・・・。
町に入る時は今度から毎度やらないとな。
「はるか、龍姫。
目立たない様にさっと買って帰ろう。」
「分かりました、コウイチ様。」
「うむ。」
長居すると面倒な事になりそうだしね。
さて武器屋は・・・何か注目を浴びている気が。
「凄い可愛い娘だなぁ。」
「あっちの背の高い女もかなりの上玉だぜ。」
・・・左に可愛い巨乳の美少女、
右に2メートル近い背の爆乳美女を連れていて
目立たない訳がないよな・・・。
早くしないといらん事が起きそうな・・・
「おうおう、兄ちゃん!!
良い女連れてるじゃねぇか!!」
「俺達が相手してやるから、
ちょっとその辺で遊んどけや。」
「姉ちゃんらも、冴えねぇそいつよりも
俺らの方が楽しめるだろう?」
一体いつの時代のチンピラだよ!!
いや、この世界観なら合っているのか?
「冴えない男?」
はっ!!
不味い!!
「俺らの相手をして貰おうかね。」
「ちょっと、待っ・・・」
言い終わる前にはるかの拳が炸裂。
「冴えないのはあなた方の方では?」
拳を食らった男は2階の屋根まで吹き飛んだ。
「頭が高いのぉ、貴様ら。」
龍姫の足の下に地面にめり込んだ男がいる。
「えっ?えっ!?」
もう一人の男はパニックに陥った様だ。
「はるか、龍姫。もう行くよ。」
これ以上の面倒毎は御免だよ。
武器屋は・・・あった。
早く買ってとっとと去らねば。
「・・・あんまり良いのがないな。」
一番良いのがミスリルソードかな?
ちょっと微妙過ぎるよな。
フェザーソードが斬られたのはかなり痛いよ。
「親父さん、もう少し値が張っても良いから
良い剣はないのかい?」
「すまんな。
この町は龍族の領域に近くて
人があまりいない分、武器も少なくてな。
それ以上の剣はもうないよ。」
「そうですか・・・。
この近くに良い武器がある場所とか
知りませんか?」
「そうだな・・・。
噂だと西の方にある魔族の城に、
凄い剣があると聞いた事があるが・・・。」
「魔族の城?それは良い情報だね。
早速行ってみるよ。」
「え?止めておけ。
物凄い数の魔物とかなり強い魔族が
沢山いるんだぞ。
死にに行く様なもんだ。」
こっちには魔王の娘がいるから大丈夫・・・
とは言えないな。
「他には知っていますか?」
「そうだな・・・龍王が持っている
龍王の剣ってのがあると言う噂があったぞ。
でも龍王と戦う事になるだろうから
無理だがな。
勇者でも勝てなかったみたいだからな。」
その龍王がここにいるなんて知ったら、
気絶しちまうかもな。
龍王の剣も使った事があるとは言えんし。
「まあ、両方とも噂レベルだから
あてにしないでくれ。」
「分かりました。情報ありがとうございます。」
さて、何か起きる前に・・・手遅れか。
武器屋から外に出ると、既に囲まれていた。
「こいつらか?
バッカス窃盗団に逆らった馬鹿は。」
「ヘイ、あいつらです!!」
「その男には地獄を見せてやれ!!
ん?良い女連れてるじゃないか。
女には天国を見せてやろう。」
・・・なんとも分かりやすい悪党だね。
「仕方がない、蹴散らすか。」
「コウイチ様。
こういう人間を優先的に消滅させるのが
私の・・・いえ、我々魔族の役目。
ここはお任せ下さい。」
「龍王に向かっての暴言。
許す訳にはいかんのぉ。」
俺の前に出る2人。
何か情けない感じだけど、まあいいか。
「2人共、他の人間は巻き込まない様にね。」
「分かりました。」
「分かっておる。」
回りの家とか巻き込まないと良いけど。
「何だ?先に天国を味わいたくなったか?」
はるかが窃盗団のボスの前に立ち、
右の人差し指をピンと立てた。
「インフェルノ」
指の先に黄色い球体が出来、窃盗団に放った。
ゆっくりとボスの横を通りすぎる。
「何だ?魔法のつもりか?可愛いもんだな!!
おい、握り潰してやれ!!」
窃盗団の1人が掴むと、天まで貫く程の
黄色い火柱が上がった。
「なっ!?」
どうやら半数が今ので消え去った様だ。
「中々やるではないか、はるか。
妾もやるとするかのぉ。」
そういって龍姫がブレスを放ち、
一瞬にしてボス以外を消し去った。
「ば・馬鹿な・・・。」
「お仲間は全員天国に行った様ね。」
「地獄じゃろう、はるか。」
「う・嘘だ・・・。これは何かの間違えじゃ?」
「心配しなくてもすぐに会えるわ。」
「地獄でじゃがのぉ。」
ボスも一瞬にして消滅した。
逆らう相手を間違えたね、バカっす窃盗団。
ん?ちょっと違うか?
まぁ、いいや。
「コウイチ様、行きましょう♪」
頼もしい仲間だね。




