第10話~龍姫~
ん・・・朝か。
昨日は結局何事もなく寝る事が出来た。
龍姫が何故か引いてくれたからね。
でも諦めないと言ってたから、
今後どうなるか不安だけど・・・。
「ん・・・コウイチ様、おはようございます。」
「おはよう、はるか。」
「今日はどうしますか?
一応龍王には会えましたし、
次はメーセの都を目指しますか?」
「そうだなぁ・・・。」
今すぐ向かったら、本当に捕まりそうだし・・・。
西回りでのんびり旅しながら
メーセの都を目指そうかな?
1年も経てばこの世界じゃ忘れられているかも
知れないし。
「西回りでゆっくりメーセの都を目指そう。」
「はい♪」
さて、龍姫にも挨拶して行くとするか。
・・・何事もないと良いけど。
「外に出るか。」
「はい、コウイチ様♪」
龍姫は・・・。
「コウイチ、ハルカ、起きたのか。」
「龍姫、おはよう!?」
また裸!?
思わず後ろを向いてしまったぞ。
「精神と身体を清めているだけじゃ。
気にせず見てて良いぞ。」
「なんで朝から!?」
「これから龍王としての
大事な初仕事があるからのぉ。」
「初仕事?手伝った方が良いかい?」
「これは龍王の妾でしか出来ぬ事だからのぉ。
コウイチは見ているだけで良いぞ。」
「分かった。」
何をするんだろう?
代々の龍王の墓に埋葬でもするのかな?
「さて、そろそろやるとするかのぉ。」
水から上がってくる音が聞こえる。
「コウイチ様、戦闘形態になりました。」
裸のままだったらどうしようかと思ったよ。
龍姫が龍王の遺体に近付き、左手をかざしたぞ。
右手に細い剣を持っている。
いや、灰色がかった白色の棒の様な剣だ・・・。
剣と言って良いのか微妙だけど。
龍王の遺体が緑色に輝き出し小さくなっていく。
頭大程の緑色に輝く光球になった。
その光球に剣の柄の部分を近づけると
柄が龍の爪を形成し光球を掴む。
光球の輝きが剣先まで広がり、
大きな剣になってきた。
長さは2メートル近く、
太さは50センチはありそうだ。
鍔が龍の翼の様な形を形成し、
爪に掴まれた光球が更に輝き出した。
光球から龍が飛び出し、剣に巻き付き、
そして剣に緑色に光る龍王が浮かんだ。
「うむ。完成だ。」
「凄い剣だね。」
「初代龍王の骨で出来た剣に、前龍王の肉体と、
現龍王の力で作成する龍王の剣じゃ。
これを作る事で真の龍王となるのじゃ。」
「ずいぶん重そうな剣だよね。」
「龍王しか扱えない程の重さじゃ。
コウイチなら扱えるかも知れんが。」
「試しに持っても良いかい?」
「良いぞ。」
確かに重い。
龍の力を得てなかったら持てないね。
一体なんキロ・・・いや、なんトンかも?
こんなものを振り回せる龍王は凄すぎだね。
「ありがとう。凄い重さだね。
持ち運ぶのも大変そうだよ。」
「そんな事ないぞ。
こうやって・・・ほれ。
小さいネックレスになるからのぉ。」
「それは便利だね。」
剣の形をしたネックレスというのも良いね。
「そういえば、龍族は呪文みたいのを
唱えたりしないんだ。」
「気にした事がなかったのぉ。
普通に出来るものと思っていたからのぉ。」
なるほど。
じゃあ、龍の力を得た俺でもイメージだけで
ブレスが放てるかな?
やってみるか。
「ちょっとブレスを試してみるから、
気を付けてね。」
「うむ。龍の泉に向かって放つと良いぞ。」
「分かった。」
口から火を放つ感じで・・・おっ、出た。
「本当にイメージだけで出来るんだね。」
「今のは火龍のブレスじゃな。」
「他にもあるのかい?」
「氷龍や雷龍等々、色々あるぞ。
龍王ならば全てのブレスが使えるが、
龍の力を得た者がどこまで使えるかは
分からんな。」
「今度色々試してみるか。
そういえば、属性って何になるんだろう?」
「属性?なんの事じゃ?」
「コウイチ様。
龍族は龍属性という特殊な属性になります。」
「へぇ~。ちょっと見てみるか。
ステータスオープン。」
名前 :コウイチ
種族 :人間
体力 :3240/3240
精神力:0000/0000
力 :2976
攻撃右:3476(+500)
攻撃左:3458(+500)
防御力:4468(+1568)
魔防御:4970(+2050)
速さ :4671(+1811)
幸運 :251
体回復:208(+5)
精回復:1500
火属性:1896[+10](+500)
氷属性:1340[+10]
地属性:11[+10]
風属性:1236[+10]
雷属性:2018[+10](+750)
闇属性:2666[+10](+1250)
水属性:1182[+10]
毒属性:1113[+10]
霧属性:1087[+10]
雨属性:86[+10]
重属性:88[+10]
無属性:462[+10]
魔属性:10[+10]
龍属性:1511[+10]
錬成 :25
装備 :ブラックフェザーソード(右)・ライトニングフェザーソード(左)・魔王の黒衣・天使の輪・疾風のリング
【職業】
ガソリンスタンド店員:13
コンビニ店員:30
SE:2000
双剣士:167
大魔導士:328
【魔法】
火属性:ファイヤーボール・ファイヤートルネード・ロケットブースター・灯火・ヒートハンド・火炎放射
氷属性:アイスボール・フリーズエンチャント・フローズンフィートウィンド・フローズンハンド・フローズンストーム
地属性:アースボール
風属性:ウィンドボール・かまいたち・ウィンドアウト
雷属性:サンダーバキュームボール・サンダー・いかづち・サンダードラゴン・イーショック・火事場のクソ力・百雷・サンダーアーマー
闇属性:ダークボール・ダークアドソープション・ダークアドソープションエンチャント・ダークファイヤー・ダークフェニックス・闇の鎧・ダークジャミング
水属性:ウォーターボール・アイリーン・カルピス流星群・カルピスウォーター・醤油・カルピスウォーター改・ウォーターファング・龍神水流撃
毒属性:ポイズンボール・ポイズンミスト
霧属性:霧隠れの術
雨属性:豪雨・ハリケーン
重属性:グラヴィティデイスパァー・グラヴィティゾーン
無属性:スラッシュ・クロススラッシュ・ダブルかみなり斬り・オールサウザンドソード・ファイナルイレーズブレイド・グラヴィティブレイド・ダークブレイド・ダブルダーリュースティン
魔属性:
龍属性:火龍のブレス
錬成 :醤油・片栗粉・コーンスターチ・米油
スキル:全属性上昇(微)
所持金:2,380,909リノス
ステータスが凄い事になってるな。
これが龍の力なのね。
精神力なんてMAX超えたみたいで、
表示がALL0になってるし。
それよりも属性は・・・
「おっ、本当だ。龍属性と言うのがあるね。
あれ?魔属性なんてのがあるよ。
いつ覚えたんだろう?」
「魔属性!?
魔属性は魔族しか持たない
特殊な属性ですよ!?」
じゃあ、なんで覚えているんだろう?
え~と。
最後にステータスを見たのは
はるかに会った時だから・・・。
いや、待てよ。
確か勇者達が俺のステータスを見た時、
属性が11個って言ってたから
あの時点ではまだ覚えていないという事だよな。
という事は・・・。
「魔王が俺の精神力を使ったからか・・・?」
「お父様が助けてくれたと言っていたのは、
やっぱりコウイチ様の力でもあったんですね。」
「あ・・・うん。
まぁ、魔王がいなかったら
どうする事も出来なかったけどね。
それよりも魔属性が使えるという事は、
回復出来たりするのかも。
ちょっと試してみようか。」
「はい、いつでも良いです。」
「ダークイーノ。
・・・発動しないね。」
地属性を持っていないからかな?
って覚えているし。
慈愛の心なんて持ち合わせていないんだけどな。
あっ、他種族でも分け隔てなく接する所か?
でもそうなると・・・
「なんで発動しないんだろう?」
「恐らくコウイチ様の今の状態は
成長の儀を受ける前なのかも知れません。」
「なるほど。
となると魔王城に行けば魔族の力が
解放されるかも知れないね。
もっと近くで成長の儀が出来る場所は
ないのかな?」
「あるとは思うので、
他の魔族に聞くのが早いと思います。」
「じゃあ、のんびり西回りで魔族を探しながら
北上するか。」
「はい♪」
「という訳で龍姫。
俺達はそろそろ行く事にするよ。」
「妾も一緒に行くぞ。」
「えっ!?」
「心配しなくとも、
無理やり押し倒す様な真似はせん。」
「じゃあ、なんで?」
「100年も誘惑し続ければチャンスも
あるだろうからのぉ。」
「龍姫!!」
「おっと、子作りの重要性は昨日話したから
分かっておろう。」
「うっ・・・。」
「全てはコウイチ次第じゃな。」
余計な問題を抱えてしまったか・・・?
「・・・行きますか。」
「はい・・・。」
「うむ。」
第5章も無事に終わる事が出来ました。
1章で名前だけ登場したルーミーの母レイラが
登場しました。
ドラゴンが登場する時に出したいなと
思っていたので無事に登場する事が出来て
良かったです。
キャラが大分予定とは違いましたが・・・。
ルーミーの登場の時と似た文章なのは予定通りで、
大人の魅力が加わった程度の
予定だったんですけどね。
そしてまさか龍王の娘が登場するとは
思いませんでした。
章タイトルにあるように、
龍王がメインだったはずなんですが・・・。
龍王は生きてすらいないという、酷い扱いです。
おまけにあれだけ仲間に入らなかった今までが
嘘の様に簡単に仲間が増えました。
相変わらず予想だにしない事が続いております。
第6章も予約投稿済となっているものもあるので、
お暇がありましたら覗いてみてください。
それでは、また~♪




