第6話~闇の黒衣~
鎧に兜に盾。
見ているだけでも楽しめるな。
ロ○の鎧ぽい青い鎧もあるし。
ゲーム好きとしては一度は着てみたいけど、現実は重くて動けなくなるだけだろうしな・・・。
「武器をフェザーソードにするなら、ゴツゴツした鎧はやめた方が良いですね。
二刀流なら盾もいらないですし、衣系が良いかも知れません。」
衣か。
となるとやっぱり目を引くのが、この黒い衣だよな。
コートには肩と襟の部分に金属で防御してあり、中はボタン部分の上から下まで銀色。
胸と腹は金属で防御。
指が出るタイプのグローブ。
太もも部分に縦一直線に銀色がかかっており、靴は膝と脛が金属で覆われてる。
「この黒い衣が気に入ったんだけと。」
「闇の黒衣ですね。
防御もなかなかで、重要な部分はメーセ合金で覆われているので致命傷は避けられそうです。
闇属性も少し強化されます。
値段は120,000リノスです。」
そんなに高くないか?
金銭感覚が麻痺しているような気もするが・・・。
これが日本だったら約5倍の60万円。
そんな高価な品は買ったことないな。
自作のパソコンだって30万ちょっとだったしな~。
でも元の世界に戻るために、この世界を宛もなく旅をしなくちゃ行けないし、モンスターもいる訳だから、値が張ったとしても買っといた方が良いか。
ゴブリンにも勝てないレベルだしね。
とは言え一応他にも良いものがないか見ておかないと。
「他に何か良さそうなものある?」
「このメーセのローブは魔法の攻撃に対する防御が、一番優れています。
でも物理攻撃に弱いから注意が必要です。」
仲間が入ればこれもありだけど、俺は一人だからやめておいた方が良いな。
「大地の衣もなかなか良いですね。
闇の黒衣に比べると防御力は落ちますが、多少の体力回復効果もありますし。」
「体力回復効果?」
「着ていると体力の回復スピードが少し上がります。
地の属性のものはそう言ったものが多いです。」
なるほどね。
地属性の経験を積めば、回復魔法とか覚えるのかな?
「虹色の衣もありました。
全属性が強化される上、防御力も魔法防御も高く、その上体力・精神力も回復する効果がある極上の衣です。
このお店の衣では一番良い品なのですが、見ての通り派手すぎて誰も買わないようです。
着ている所も見た事がありませんね。」
これは派手というレベルか?
全身が虹色に輝いているのは我慢したとしよう。
フード部分がアフロより大きい上に、虹色に輝いているのもどうかと思うが、その上と背中に虹の形のオブジェが付いているって・・・。
おまけにズボンは白鳥の頭って志○けんのコントですか?
一体何を考えて作ったんだろう?
ちなみに白鳥の翼は何故かサングラスに付いている・・・。
「値段はいくらなんだろう。」
「 ・・・金札2枚です。 」
売れ残っている訳だね。
もちろん俺も買いません。
「衣はこんなところですね。」
「ありがとう。
じゃあやっぱり最初の闇の黒衣にしようかな。」
「闇の黒衣なら頭以外の一式が揃ってますね。
頭には頭巾や帽子がありますけど・・・あっ、天使の輪がありました。
これは頭の上に浮いているので、重さも感じないです。
少しですが速さも上がりますし、光属性の加護を受け全身の防御力も上がり、体力回復スピードも上がるのでお薦めですね。
値段は50,000リノスです。」
天使の輪か。
個人的には結構好きかも。
これで黒い翼でもあれば完璧だけど、流石にないか。
じゃあ闇の黒衣と天使の輪を買うことにしよう。
合計で170,000リノスを払って、早速着てみた。
見た目だけは一流になった気分だな。
あれ?
これ来てたらルーミーの親父さんとこの服はいらなくなるのか?
と疑問に思うと、あっちは普段着ですよ。
とルーミーに言われた。
ゲーム見たいにずっと同じ服という訳にはいかないよな。
さて、次は何処に行こうか。
ふっと壁際に目を向けると、何やら賑やかな感じだ。
「ルーミーさん。
あっちの壁際は何をやっているの?」
「あれは露店商が物を売ったり、ゲームを出したりする場所ですね。」
ゲームと聞いたら、ゲーム好きとしては見に行かないとな。
露店のハウスにワクワクしながら近づいてみると、露店ののおっちゃんが声をかけてきた。
「おっ、兄ちゃん。挑戦してみないかい?
ルールは向こうにある玉を得意の魔法で破壊するだけ。
壊すことができたら1銀札だ。
どうだ、簡単だろ?」
ふむ。簡単だな。
最も俺のマッチ棒程度のファイヤーボールじゃ壊すことは無理だけどね。
練習にはちょうど良いゲームかも。
「やってみるよ。」
「1銅札で3回だ。」
露店商に1銅札を渡し手を前に出す。
さっきのがまぐれでは無いことを祈りつつ、
「ファイヤーボール」
「あっ、コウイチさ・・・」
おっ、ちゃんと出た。
まぐれではなかったようだ。
ファイヤーボールは玉にあたり消えた。
玉には傷一つないようだ。
「ワッハッハッハッ!!
なんだ、その情けないファイヤーボールは。
今時幼児でも、もう少しマシなのを出すぜ。」
露店商も周りの人間も爆笑している。
やっぱり俺のファイヤーボールは駄目らしいな。
「コウイチさん。
威力を上げるには精神力を込めるんですよ。
いきなり放つんじゃなくて、手のひらに集める感じで力を込めてから放つんです。」
なるほど。そんな感じか。
まあ、いきなり上手く行くとは思えないけど、試してみるか。
でもこんな爆笑している中でも、笑うことなく教えてくれるルーミーは、やっぱり良い娘だな。
さて、もう一度だ。
「おいおい、まだやるつもりかい?
そんな威力じゃ、百万回放っても無理だって。
これ以上恥をかく前に諦めたらどうだい?」
諦めたら・・・と、『スラムダ○ク』の名台詞が浮かぶのは漫画好きの性ってやつだな。
さて、精神力を手のひらに集める感じで・・・
この時はまだ知らなかった。
他人に大爆笑されても平然としている程、図太い神経をしている最強の精神力を。
「ファイヤーボール」