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精神力+想像力=魔法創成  作者: 耕一
第4章:はるか編
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第2話~魔王の娘~

えっ、幼女?

受け止めないと!!

華麗に抱き止め・・・れないのは毎度の事で

盛大に潰された。

身体中が痛・・・くないな。

どうやら魔王の黒衣が、

衝撃を吸収してくれたらしい。

良い買い物をしたな・・・ってそんなことより。


「大丈夫かい?」


黒いロングヘアーに黒い瞳、小麦色の肌。

黒い角が2本、耳の上辺りから生えていて、

黒い尻尾まで生えている。

・・・角に尻尾!?

と言うことは魔族か!?

殺され・・・


「・・・」


・・・何だろう、この悲しげというか

絶望という感じの瞳は。

馬乗りされている俺の方が圧倒的に不利なのに。


「あの魔族のガキ、何処に行った!?」

「探すんだ!!絶対に逃がすなよ!!」


幼女が怯えて震えている。

魔族のガキと言うのはきっとこの娘の事だろう。

誰かに追われている?

急展開だがこういう時は自分の思うままに

行動するのが吉だ。


「飛ぶよ。」

「え?」


魔族の幼女を抱えて翼を広げた。


「ロケットブースター!!」


そして空に舞い上がった。

空から地上を見ると、どうやら複数人の人間に

追われている様だ。

魔族とはいえ、こんな可愛い幼女を、

大の大人が追いかけ回すなんてね。

ちなみに俺に幼女趣味はない。

という訳でこれは100%善意だ。


「あっ、あの・・・。」

「ん?どうした?」

「助けてくれたんですか?」

「そういう事になるね。」

「あなたは人間ですよね?」

「そうだよ。」

「私は魔族ですよ?」

「それがどうかしたのかい?」

「あなたも追われてしまいますよ?」

「俺なら大丈夫。気にしないで良いよ。」

「・・・ありがとう。」

「いえいえ・・・?」


あれ?気を失ったぞ。

困ったな。

どうしようか・・・。


《向こうに洞窟がある。

 そこに一旦隠れると良い。》


向こうに洞窟ね。

・・・え?

今俺の横で誰かが、指を指して指示した様な?

・・・誰もいないよな。

気のせいというにはリアル過ぎる気もするが・・・。

まあ、取り敢えず一旦洞窟まで行ってみるか。


おっ、あったな。

このまま地面に寝かせるのは可哀想だから、

俺の寝袋を引いて・・・これでよし。

さて、これからどうするか。

このままここに放置する訳にもいかないし、

幼女を連れて歩くのも犯罪な感じがするしな。

この世界では問題ないのかも知れないけどね。


《人間よ。》


・・・ん?

またさっきの声が聞こえた様な?

何処にいる・・・って幼女の傍にいる?

いつの間に!?


《娘を助けてくれて感謝する。》


娘?

父親という事か。

・・・何か透けて見えるんだが。

そういう魔族がいてもおかしくないか。


「父親がいるなら俺はお役御免ですね。」

《私はもう死んでいて、

 娘を助ける事が出来ない。》


死んでいる?

幽霊って事か!?

でも俺、霊感なんて無いんだけどな。


《殺される直前に最後の力を振り絞り

 娘に付いたのだが、もう力も尽きてしまう。》


なるほど。

そこにちょうどよく俺が現れたという事か。


《貴公に頼む。このまま娘を助けてやってくれ。》

「人間の俺よりも魔族に頼んだ方が良いのでは?」

《並の魔族では私を感知する事は出来ない。

 それが人間なら尚更だ。》

「俺が感知出来るのは何でだろう?」

《ある一定の精神力があれば見えるはずだ。》


なるほど。

精神力MAXのおかげか。

魔族の幼女と旅か・・・幼女趣味じゃないから

微妙だな~。


「一応聞いておくけど、一生面倒を見てくれ

 と言う訳では無いよね?」

《成長の儀が終わるまでで構わない。》

「成長の儀?」

《魔族が子供から大人へと成長するための儀式だ。

 秘められた力が解放される。》


なるほど。

力さえ解放されれば、何とでもなるという事か。

でもそうなると、俺は無事でいられるのか?


「魔族って生態系を正すためにいるわけだよね?

 生態系を一番乱しているのは人間なんだから、

 人間である俺も殺される対象になるのでは?」

《人間であれば誰でもと言う訳ではない。

 助けてくれた人間を殺す事は、

 余程の事がない限りする事はない。》


余程の事ね。

まあ、多分大丈夫だろう。


《魔族が生態系を正すためにいる事を

 知っている人間がいるとはな。

 人間を殺す極悪非道と恐れられていた

 はずだが・・・。》

「俺はちょっと特殊なんだ。」

《普通の人間とは違うのはわかっている。

 だからこそ娘の事を頼めるだろうか?》


害は無さそうだし、良しとするか。

でもその前に色々聞いておかないとね。


「色々聞きたい事があるんだけど、良いかい?」

《私が知っている事なら答えよう。》

「まずは、成長の儀と言うのは

 どうすれば出来るんだい?」

《儀式の方法は娘が知っている。》

「じゃあ、今やって貰えば良いのかな?」

《儀式は何処でも行える訳ではない。》

「何処で行えば良いんだい?」

《ここから更に北にある魔王城の儀式の間でしか

 行えない。》


魔王城の儀式の間ね。

・・・魔王城?

まさか・・・ね。


「魔王城って魔王がいた城って事だよね?

 という事はまさか魔王なんて事は無いよね?」

《その通りだ。かつては魔王と呼ばれていた。》


本物の魔王!?

という事は魔王の娘!?


《魔王の娘と知っても助けてくれるか?》


・・・さっきの人間達が必死に探し回っていた

理由がわかったよ。

また魔王の復活になりかねないという事か。

人間のためを思うのなら、この場で魔王の娘を

殺すべきなんだろうけど・・・やっぱり俺って

変わってるよな。


「魔王の娘でも関係ないさ。

 成長の儀が終わるまでは力になりますよ。」

《・・・感謝する。》

「感謝はいりません。

 危なくなったら逃げるからね。

 さて、最後の質問です。

 時空や空間に関する魔法を知っていますか?」

《しっ・・・て・・・いる。》


ん?なんか様子が変だぞ。


「どうしました?」

《す・まん・・・。も・う・・・限・・・だ》

「ちょ、ちょっと待て!

 知っているんだろ?

 教えてくれ!!」

《娘・・・た・・・む》

「おい!」


俺は慌てて魔王に掴み掛るが、

当然の如く擦り抜け魔王はどんどん薄くなって

消えてしまった。

一番欲しい情報が聞けないなんてね。

仕方がない、取り敢えず魔王城に行くか!

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