第4話~この世界の通貨~
「いやー、すまない、すまない。
ゴブリンに襲われてる所を助けられただけなら、先に言ってくれれば良かったのに。」
首を締め上げられてたら、なにも言えませんよね。
意識が飛び欠けましたよ。
「全く、お父さんたら直ぐに勘違いするんだから」
「すまん、すまん。しかし、本当に珍しい服だな。
色々見たいから脱いで貰っても良いかい。」
「あっ、はい。」
「代わりの服は、これを来てくれ。」
「じゃあ私はお茶を淹れてきます。」
そういえば漫画の『天は○い河のほとり』だと、最初に来ていた服を持っていないと元の世界に帰れないなんて設定があったな。
・・・売って大丈夫かな?
「う~ん。これは何て言う素材なんだ?
ウールを使っているのはわかるんだが・・・。」
ポリエステルっていう化学繊維を使用しているって言ってもわからないだろうしな・・・。
「兄ちゃん、金札5枚で買い取りたいんだがどうだい?」
・・・価値が全くわからないけど、金って付いてるから良さそうだな。
「えっ、そんなに!?この服はそんなに珍しいの?」
ルーミーさんがビックリしながらも、お茶を出してくれている。
お茶というより、紅茶ぽい色だけど。
「ああ。こんな生地は見たことがないな。」
「そっか。お父さんが言うなら間違いないです。
コウイチさん、良かったですね。
並の冒険者の5年分くらいの稼ぎですよ。」
・・・とんでもない金額だったらしい。
一応念のため、服の切れ端だけ持っておいて、売ることにするか。
いや、その前にこの世界の通貨について、聞いておいた方がいいな。
「ルーミーさん。この世界の通貨について教えて貰えませんか。」
「金札、銀札、銅札、白札があり、
1リノスが1白札、
100リノスで1銅札、
10,000リノスで1銀札、
1,000,000リノスで1金札になります。」
「子供でも知っている常識なのに、知らないのか?
もっと安く見積もれば良かったな。」
「お父さん!!」
「冗談だよ。しかし、通貨も知らないなんて一体何処から来たんだい?」
「日本ですけど・・・」
「ニッポン?知らんな。」
だよな~。
やっぱり地球ですら無さそうだ。
さて、金札1枚が1年分の稼ぎということは、日本円で500万円位ということかな?
金札5枚で2500万円・・・凄いな。
「えっと、金札5枚で良いです。
出来れば金札・銀札・銅札・白札で分けても貰えると、助かるのですが。
それから上着の内ポケットに入っている切れ端だけ返してください。」
「わかった。ところで札箱は持っているのかい?」
「札箱?」
「札箱は金札、銀札、銅札、白札を分けて入れる箱のことです。
皆、腰に着けています。
ただの入れ物にだけ使用するものから、鍵付きの札箱、メーセ認識付きの札箱等があり、大きさは50枚・100枚・200枚・1,000枚の4つです。」
「なるほど。普通はどんな札箱を持っているのかな?」
「1,000枚用は商売人が使用していて、普通はあまり使わないです。
金札用は持たない人もいますが、50枚が一般的です。
銀札は100枚、銅札・白札は200枚かな?
後は最低限鍵付きがあると良いですが、余裕があるならメーセ認識が付いてる方が良いです。」
「じゃあ、鍵付きたとメーセ認識付きの値段はいくらなのかな?」
「鍵付きなら50枚の箱が100リノス、100枚で200リノス、200枚で400リノスだ。
メーセ認識付きは鍵付きの5倍値だが、金札5枚手に入るんだから、メーセ認識付きにしとけ。
壊して奪い取ることも難しい代物だからな。」
「わかりました。
メーセ認識付きの札箱で、50枚用1つと、100枚用1つと、200枚用2つ下さい。」
「毎度あり。服はどうする?
麻・綿・絹で用意出来るぞ。
値段は麻が上下で350リノス、綿が3,000リノス、絹が10,000リノスだ。」
「綿でお願いします。」
「じゃあ寸法を取らせて貰おう。靴はどうする?」
「靴も下さい。この革靴も買い取って貰えますか?」
「 変わった形ではあるけど、これは牛革だな。
かなり使い込んだ出るし、30リノスだな。」
残念。まあ、3,000円で買った安物出しな。
「靴は綿の靴だけだ。
650リノスだが、靴の買い取りと、さっきの締め上げた詫びとして500リノスでどうだい?」
「お願いします。」
「合計で9,000リノス。買い取り金額から引いて、4,991,000リノスだ。
服はサイズ合わせに1日かかるから、明日取りに来てくれ。」
まさかとは思うけど親父さんが直すのか?
針仕事なんて、想像もつかない姿なんだけど・・・
「見た目と違ってお父さんの腕は確かだから、安心して下さい。」
・・・見た目で人を判断しちゃいけないよな。
「わかりました。後、宿屋ってどこにありますか?」
「うちは下宿もしているよ。夕食・朝食付きで3,500リノスだ。」
「じゃあそちらもお願いします。」
これで一安心だな。
当面の資金も得れたし、これから先どうするかも良く考えないと。
メーセも上手く使える様にならないといけないし、やることは沢山ありそうだ。
せめてゴブリン位は楽に倒せるようにならないと、この町を出ることも難しくなりそうだしね。
それから忘れない内に、
「ルーミーさん。さっき立て替えてもらった100リノスです。ありがとうございました。」
「困ったときはお互い様ですよ。
そうだ、コウイチさん。
夕食にはまだ時間があるから、町を案内しましょうか?
それに、ステータス表示の腕輪も買わなきゃですね。」
「そうだった。
色々お世話になってばかりで申し訳ないけど、案内をお願いします。」
「気にしないで。
分からないことがあったら、何でも聞いて下さい。
何でも教えてあげます。」
何でもか・・・。
・・・はっ!殺気!?
「兄ちゃん。
分かっているとは思うが、ルーミーに手を出したら・・・」
「な・何もしませんって。」
「冗談だよ、冗談。はっはっはっはっ。」
目が全く笑ってませんよ、親父さん。