第8話~総攻撃~
ファレンが特別な力を身に付ける修行を開始してから早1週間。
力が発動する気配もなく、時だけが過ぎて行く。
・・・そういえば俺って何で一緒に修行しているんだっけ?
さっさと先に進めば良いような?
「コウイチ殿、温泉に行きましょう。」
「喜んでお供します。」
・・・これのせいか。
「狼人族が攻めてきたぞーー!!」
1週間振りだな。
楽しい温泉タイムを邪魔しやがって。
「コウイチ殿、先に行きます!!」
仕方がない、さっさと片付けて温泉タイムの続きだ。
まずは確認だな。
翼を広げて上空に舞い上がり確認すると・・・前回より狼人族が多い気がするな。
ん?森の上に狼人族がいるぞ。
10人位か?
ジャンプした・・・ジャンプした人を踏み台にして更にジャンプ。
それを繰り返して、俺の所まで飛んできた!?
「闇の鎧!!」
危なかった。
まさか上空にいる俺を狙って来るなんて。
凄い連携プレイだよ。
次からは即撃ち落とさなくては。
戦況は・・・狼人族が引いているな。
ファレンをまた捕まえた?
いや、さすがにそれはないか。
もしくは上空からの攻撃を警戒して森の中で戦っているのかも。
それだと上空にいても意味がないな。
一旦降りるか。
取り敢えずファレンの向かった方向に行ってみよう。
おっ、いた。
俺と違って素晴らしい剣技を披露しているな。
加勢に行く前に・・・
「サンダーアーマー!!フリーズエンチャント!!」
準備万端!行くか!!
「ファレン!加勢に来たぞ!!クロススラッシュ!!」
「コウイチ殿!」
「なるべく特別な力を意識して戦うんだ。」
「承知しました。」
修行よりも実践の方が覚えれるかも知れないしね。
しかしこんなにすぐに襲ってくるなんてな。
よっぽどファレンの秘めた力を恐れているのか?
「人間が現れたぞ!!」
「「「ブラッドウルフ!!」」」
なっ、狙いは俺!?
しかもブラッドウルフ!?
3人同時に爪を前に・・・一点突破するつもりか!?
「「「スクリュークロウ」」」
「グハッ!?」
「コウイチ殿!!」
避ける事も出来ない!?
しかもこの衝撃!!
一体何十メートル吹き飛ばされたんだ!?
呼吸がし辛い・・・あばらでもやられたか?
貫かなかっただけマシか・・・。
しかし痛みはそんなに凄くないってのは本当なんだな。
・・・奴らはどこに行った?
電撃を浴びてるはずだからすぐには動けないはず。
呼吸が落ち着いてきた。
取り敢えず起き上がって、ファレンの所に戻らないと。
少し痛むが、動けなくはないな。
「見つけたぞ!!」
げっ!?
またあれを食らったら今度こそ不味い!!
味方は回りにいないから、超強力な!!
「ポイズンミスト!!」
「ゴボッ!?」
3人共血を吐いて倒れたぞ。
今の内に戻るとしよう。
「コウイチ殿!!大丈夫ですか!?」
ファレンが俺を見つけて駆け寄ってきた。
「あばらをやられただけで済んだよ。」
「今、回復します。イーノ。」
痛みが消えて行く。
折れたのかヒビが入ったのかわからないけど、骨まで回復するんだね。
「ありがとう、ファレン。助かったよ。戦況はどうだい?」
「あまり良く無いです。全軍で攻めてきている様なので。」
「どのくらいの人数差があるんだい?」
「約10倍です。」
それは不味いな。
あれ?そういえば今は攻撃が止んでいるな。
「狼人族がいないみたいだけど何処に?」
「一旦引いていきました。恐らくこれから総攻撃が来るかと。」
どうするか。
さすがに全員を一撃で倒せる魔法は無理だろうし。
森の中だと姿も見えないしな。
「コウイチ殿。一旦村に戻りましょう。」
「わかった、戻ろう。」
何か良い作戦があると良いんだけど。
「報告ご苦労じゃったのぉ。総攻撃か。」
「族長!大変です!!」
「どうしたんじゃ!?」
「森が燃えています!!」
「なんじゃと!?」
・・・昨日の仕返しだな。
「俺が消してきますよ。」
「でも全方位が燃えているんですよ!?」
やりすぎだろう、狼人族。
「なんとかしてきますよ。」
さて、確かに全方位が燃えてるな。
アイリーンじゃ一方向しか出来ないし、端から放てば消えるだろうけど、
家まで無事ではすまないだろうからな。
雨でも降らすのが良いかな?
雨は水蒸気が上空で冷えて氷になり、氷が大きくなった所で落ちていき、
雪の結晶を経て雨となって落ちてくるのだから、大量の水蒸気を上空に発生させれば良いんだな。
水と氷と火を上手くコントロールして、強めの雨をイメージして・・・。
「豪雨!!」
おっ、上空に雨雲が出来てきたぞ。
かなり大きくなってきた。
ポツン
来たぞ!!
雨だ!!
どんどん降ってきた!!
火も消えていってるな。
ちょっと強すぎる気もするが。
「コウイチ!!この雨はお前がやったのか?」
「あぁ。これで火事は消えるよ。でも消えたらすぐに狼人族が攻めて来るんじゃないか?」
「そうだな。死力を尽くして戦うさ。」
勝ち目はなさそうだね。
せめて攻撃箇所が1つだったらまだ何とかなりそうなのにな。
今から壁を作るといっても間に合わないし・・・。
「コウイチ殿、これ程の雨を降らせるとはさすがです。」
ファレンは回復魔法を使えたよな。
「ファレンって、もしかして地の属性を持ってたりするの?」
「はい、地属性を持っています。」
「じゃあ壁って作れる?」
「数人分程度の防御壁なら出来ます。」
「本当?なら村を囲むように防御壁を作ろう。」
「申し訳ございません。私にはそこまでの壁は作れません。」
「大丈夫。俺が力を貸すよ。手を握って。」
「はい。」
「村の入り口以外を囲む頑丈で大きな壁をイメージして作って。」
「はい。・・・ディフェンスウォール。」
ファレン地面に手を付き唱えると、地響きと共に大地が競り上がって行き、村を囲んだ。
どうやら上手くいった様だ。
高さも回りの木よりも高い。
壁を越えての浸入も無理そうだな。
後は入り口で迎え撃てば行ける!!
「ファレン、ソウガ!入り口で迎え撃つよ!!」




