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精神力+想像力=魔法創成  作者: 耕一
第2章:メディーナ編
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第7話~鳥の唐揚げ定食~

何とか町に戻って来れた。

全員無事で良かったよ。

さて、レースも中止になったし、ここにいてもしょうがないから次の町に向かうとするか。


「あんた、全員助け出すなんて凄いな。」


さっきデカイ鳥に乗っていた人だな。


「それから1銀札だ。大会は中止になったからな。」

「大会が中止になって残念です。ちなみにさっき乗っていた鳥ってどうやって手に入るんですか?」

「行商人に買ってきて貰ったからわからないな。東の方で手に入るらしいが。」


ちょっと寄り道って訳には行かなそうだね。

仕方がない。

ここは諦めよう。

そういえば肝心な事を聞くのを忘れてたな。


「この辺りで時空や空間魔法に詳しい人って知りませんか?」

「東の方に行った所にある村に、昔そんな魔法を使う人がいたって噂があったな。」


・・・随分都合の良い設定だね。

これは鳥に乗れるチャンスかもな。

よし!東に向かって出発だ!!


―――――――――――――――――――――――――――――


あれから3つの町に寄ったが、雲行きが怪しくなってきた。

時空や空間⇒時空間⇒時間⇒自慢と噂の内容が変わってきたからだ。

もはや全く関係のない魔法になりそうで・・・魔法ですらなくなって来た様な気がしてきたな。

それでも僅かな望みを掛けて次の村に向かっている。

おっ、町が見えてきたな。

どうか良い噂がありますように。


「時空や空間?知らんな。」

「・・・自慢だったら聞いたことがありますか?」

「あぁ、昔はこの町に腕自慢が沢山集まった事があったよ。

 大揉めした見たいだからその時の噂が飛び火したんじゃないか?」


・・・来るだけ無駄だったか。


「今はそんな腕自慢の馬鹿な輩はいないから安心してくれ。で、町に入るかい?」


疲れたし休んで行くか。


「短期で入ります。」

「短期なら100リノスだ。そのバトルホースを泊める場所はこの町にはないけど、どうする?

 ここで預かっておくかい?」

「大丈夫ですよ。カルピスウォーター。コシヒカリ、これ飲んだら好きなところで休んでてくれ。

 後でりんごとか持って行くよ。」

「ブルルル!」

「バトルホースの飲み物を出す魔法なんて、聞いた事がないぞ。

 時空や空間魔法より、はるかに珍しいんじゃないのかい?」

「使えるのはこの世界で私だけの魔法だからね。勿論人間も飲めるぞ。」

「旅するには便利な魔法だな。」


これで食べ物でも出せれば完璧何だけどね。


「はい、許可証。この町には1つお薦めの食事があるんだが。」

「なんです?」

「鳥の唐揚げだ。」

「なんだと・・・?鳥の唐揚げ!?」

「あ・あぁ。何かおかしな事を言ったか?」

「ご飯は付いているんだろうな?」

「もちろん。味噌汁も付くぞ。」

「味噌汁もだと?」

「に・兄ちゃん。なんかだいぶ印象が変わった気がするんだが大丈夫かい?」

「その店はどこにあるんだ!!」

「中央に行けば一杯あるよ。」

「ロケットブースター!!」


俺の大好物がこの世界にあるとは!!

絶対に食べねば!!


「こ・これは!?」


右見ても左見ても鳥の唐揚げの旗が立っているではないか!!

困ったぞ。どの店が一番美味いんだ!?

落ち着け俺。

こういう時は冷静に1つずつお店を見て行こう。

この店は塩の鳥の唐揚げか。塩も美味いが、一番ではない。次だ。

ここはあんかけ乗せか。確かにあんかけ乗せも美味いがこの世界初には相応しくない。次だ。

こっちはみぞれ・・・大根おろしか。さっぱりとしてかなり好みだが2回目以降だな。次だ。

あっちは醤油ベースだと!?

ここだ!ここしかない!!

うっ、待て。向こうも醤油ベースだぞ。

どっちだ。どっちが良いんだ?

何か決めては・・・この匂い、ニンニク醤油か!?

ここに決定だ!!


「親父!鳥の唐揚げ定食!!ご飯大盛りで!!」

「私女性何ですけど・・・。」

「・・・すいません。」


気がはやりすぎたな。

でもここまでくればもう安心だ。

後は出来上がるのを暫し待つのみ。


「お待たせしました。鳥の唐揚げ定食、ご飯大盛りです。」


待ってました!!

ご飯に味噌汁。鳥の唐揚げ4個にキャベツの千切り。きゅうりの浅漬け。

ほほう、レモンも付いているではないか。

これぞオーソドックスな鳥の唐揚げ定食だ。

まずは鳥の唐揚げを・・・と言いたい所だが、俺はまず味噌汁から飲む派だ。

食べる前に口に水分が欲しいんだよね。

という訳で一口。

美味い!!これは鰹出汁か?勿論この世界では違う名前かもしれんが鰹出汁に似た味だ。

味噌は赤味噌だな。

かの有名な『きんさん、ぎんさん』も赤味噌で長生きしていたらしいし良い選択だね。

具はこれまたオーソドックスな豆腐とワカメだ。

ジャガイモも捨てがたいが、やっぱりこれが一番だな。

よし、お次はメインだ。

まずは鳥の唐揚げのみで食べよう。

レモンを付けるのもありだが、最初は鳥の唐揚げのみで堪能しないとね。

カリッ、ジュワッとこれぞ唐揚げだよ。

美味い・・・泣きそうだ。

最近保存食ばかりで辛かったしな。

五臓六腑に染み渡るよ。

そしてここでご飯だ!!

美味い!!唐揚げ1個でご飯1杯なんて余裕過ぎるな。


「すいません、おかわりください。」

「おかわりは20リノスですけどよろしいですか?」

「良いです。あっ、大盛りにして下さい。」


ご飯を待っている間にキャベツをいただくとしよう。

シャキシャキして美味いな。マヨネーズの味も良いね。


「お待たせしました。」

「ありがとうございます。」


さあ、もう1ついただこう。

今度はレモンを付けて・・・これまた美味い!!

油っぽさが減って良い感じだ。

おっと、舌休めにお新香も食べねば。

カリッとしてこれも美味い。

やっぱり鳥の唐揚げ定食は至高の1品だよ。

む、またご飯がなくなってしまった。

残る唐揚げは1.5個だな。

もう1杯は余裕で行ける。


「すいません、ご飯大盛りおかわりで。」

「えっ?3杯目ですか?体に似合わず良く食べるんですね。」


ちなみに俺は痩せの大食いだ。

ご飯4合くらいなら一人で余裕で食べれる。

さてラストをゆっくり堪能するとしよう。


「・・・ご馳走さまでした。」


美味しかった。本当に美味しかった。

この町を去るのが名残惜しいよ。


「おいおい、聞いたか?なんとかって盗賊団の話。」

「あぁ。何でも時間に関する何かを奪ったとかなんとか・・・。」


盗賊団?しかも時間に関するだって?

ここに来て随分都合の良い話だね。

きっとダメダメ・・・ダメンズ?盗賊団の事だな。

という事はメディーナとまた会えるかも?


「確か北西の方で有名な盗賊団だよ。ダなんとかだったな。」


ダメンズ盗賊団だな。

次の目的地が決まって良かったよ。

これも鳥の唐揚げ様のお導きだな。

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