第3話~この世界の乗り物~
カルピスが手に入って気分が良いから、この町に泊まって行く事にした。
そう言えばこの町って何て名前だったっけ?
カルピスの町で良いか。
カルピスの町の宿屋はそこそこ高級な感じだが、食事は出ない様だ。
仕方がないので荷物を宿に置き、綿の服に着替えてレストランに行く事にした。
「ダーメス盗賊団が全員死んでたらしいぞ。」
「え?マジか。見に行こうぜ!!」
・・・加減を間違えたかな?
気乗りしないが、俺も見に行くか。
見に行ってみると、俺が殺ったのではない事がすぐにわかった。
手や足や首が切断された死体、燃やされた死体、黒焦げの死体等々、水属性とはおおよそ関係のない死に方ばかりだ。
・・・メディーナが殺ったんだな。
別人の可能性も勿論あるけど、このタイミングといい、まず間違いないな。
「惨いな・・・。相当恨まれていたに違いない。」
・・・その通りだけど、何も言うまい。
戻るか。
あんな惨劇を見た後では食欲も・・・普通にあるのでしっかりと食べさせて貰った。
どんな事があっても食欲が衰えないのは良い事だ。
ちなみに味はルーミーさんの親父さんの方が美味しかったよ。
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久々にベットで寝れたので、良く眠れた気がするな。
「ステータスオープン」
名前 :コウイチ
種族 :人間
体力 :88/88
精神力:9999/9999
力 :43
防御力:34 (+1)
魔防御:22
速さ :64
幸運 :65
体回復:6
精回復:1000
火属性:345
氷属性:342
風属性:164
雷属性:175
闇属性:209
水属性:181
毒属性:148
霧属性:126
装備: 綿の服
【職業】
ガソリンスタンド店員:13
コンビニ店員:30
SE:2000
双剣見習い:15
【魔法】
火属性:ファイヤーボール・ファイヤートルネード・ロケットブースター
氷属性:アイスボール
風属性:ウィンドボール・かまいたち
雷属性:サンダーバキュームボール・サンダー・いかづち・サンダードラゴン
闇属性:ダークボール・ダークアドソープション・ダークアドソープションエンチャント
水属性:ウォーターボール・アイリーン
毒属性:ポイズンボール・ポイズンミスト
霧属性:霧隠れの術
所持金:4,811,890リノス
結構ステータスも上がっているな。
なるべく双剣で戦うようにして、夜は精神力を8割位まで使うようにしながら鍛えてきたからね。
そろそろ無属性を覚えたい所だけど、なかなか覚えてくれないんだよな。
双剣見習いだと覚えないのかな?
所持金は減らない所か、凄く増えてるからありがたいよ。
そう言えば闇のクリスタルとか売るものがあったな。
道具屋に寄るとしようかね。
「合計で31,040リノスでどうだい?」
「良いです。ランタンは売ってますか?」
ランタンを買うのを忘れていたから、夜が大変だったんだよな。
電灯なんか全く無いから、完全なる暗闇なんだもんな~。
落ちていた木の棒に火を付けて松明代わりにしたものの、今後のためにも買っておかないとね。
「ランタンは2,500リノスだよ。
使い方は簡単で、下の部分に手を触れながら火属性を注入するつもりで使えば火が灯るよ。
1回で5時間程度は持つかな。」
なるほど。
オイルとか買わないで良い分、楽だな。
「じゃあそのランタンを下さい。」
「毎度あり。」
こんな所かな。
後は朝御飯食べて次の町に向かうとするか。
おっ、定食屋があるな。
ここにするか。
「焼き魚定食1つ。」
「はいよ!焼き魚定食1丁!!」
ご飯・焼き魚・ポテトサラダ・スープが出てきた。
味噌汁が飲みたいんだが、この世界には無いのかな?
贅沢言っても仕方がないので、食べながら次の町を見る事にしよう。
この地図は以外と便利で、自分の位置、近くの町、ルートが自動的に光ってくれる。
今は町の中にいるから光っている場所が重なっているけどね。
次も北に進みたいので北の方を指で丸くなぞると、町があるところが光ってくれる。
次の町は・・・300㎞くらいか。
歩いて10日位?いや、俺の足だともっと掛かるかも。
車・・・せめて自転車が欲しい所だが、そんなものがある訳ないので歩くしかないか。
待て待て、馬ならこの世界でもあるんじゃないか?
勿論乗ったことなんて無いけど、歩くよりは良いかもしれない。
よし、食事も終わったし馬屋さんに行ってみよう。
割りとすぐに馬をレンタルしている所は見つかった、しかし・・・。
「馬で北に行く!?馬鹿言うな!うちの馬を殺す気か!?」
どうやら馬でこの先に進むのは駄目らしい。
というか、そんな所を1人で歩いて行くなんて、俺の方が大丈夫か?
「ここから先に行くならバルトホースで進むのが常識だぞ。
今は全部貸し出し中だからいないけどな。」
困ったな。本当に歩いて行くしか無さそうだよ。
「腕に自信があるなら自分で捕まえてみたらどうだね。」
「誰でも出来ることなんですか?」
「この手綱を首に掛けて乗っかれば良いだけだ。」
そんなに簡単に?
やってみようかな。
「通常は5人くらいで捕まえるんだがな。
最初は大暴れするから、交代でバルトホースの体力が無くなるまで乗り続けるんだよ。」
1人で大丈夫か・・・?
「性格は大人しいからな。背に乗らない限りは安全だ。」
背に乗らなきゃ捕まえられないなら意味が無いような・・・。
「大きさも馬より一回り大きいから体力もあるし、力も強い。
その代わり乗る事が出来れば馬より速いし、並みの魔物なら蹴り殺しちまう位強い。」
俺が蹴り殺される心配はないのだろうか?
「心配しなくても蹴り殺されたなんてのは、1年に数回しかないさ。」
あるんかい!!
「で、どうする?手綱は1つ1,000リノスだぞ。」
「・・・やってみます。1つ下さい。」
最近のオンラインゲームでは良くある乗り物捕りだしな。
試しにやってみることにしよう。
「ここから北に5㎞程行くとバルトの丘がある。
そこにバルトホースはいるから頑張ってきな。」
5㎞、1時間って所かな。
頑張って行くとするかね。
「・・・この時期は一番捕り辛いって言うの忘れたな。まぁ、良いか。」




