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第7話:小さな発明品

さあ、学校で年に一度開かれる発明大会。

バグの発明品は何位に入れるでしょうか?


発表の日。

バグは不思議とドキドキしませんでした。

なぜなら、今回の発明品はバグの大好きなものをかたちにすることが出来たので、それだけでバグは大満足でした。


しかし結果は…

なんと三位に入賞することが出来たのです!

落ち着いていたバグでしたが、やはり三位に入賞したことは嬉しくて、マグラも良くやったと目を細めたくしゃくしゃの笑顔でバグの肩をだきました。


数多くの発明品の中でもひときわ小さなバグの発明品。

それは、コバルトブルーの一本の美しい万年筆でした。

しかし、もちろんただの万年筆ではありません。

バグはしばらく展示される予定であったその万年筆を、先生に許可をもらって一晩だけ持ち帰りました。


そしてその夜。

バグはその万年筆を使って、おじさんとおばさんに手紙を書きました。

部屋の電気を消し、万年筆のフタをとって白い便箋の上にペン先をさらさらと滑らせると、黒よりも深い、漆黒のインクで文字が紡ぎ出されます。

すると、部屋の天井に一つ二つと星が輝きはじめ、ついには満天の星空になりました。

そして、周りには打ち寄せては返す静かな波音が聞こえはじめました。

それは、バグの大好きな大好きな星の静かな夜の景色でした。

星を出る時におじさんがおまもりにくれた、星の滝の水を詰めた小さなビン。

この水を使って、バグが一ヵ月かけて作った発明品がこの万年筆でした。

バグは星の夜空の月明りの下で、おじさんとおばさんに手紙を書きました。

もう涙は込み上げては来ませんでした。

大好きな二人はいつもこの同じ星空の下にいるのですから…。


ベッドで本を読んでいたリドはそっとページを閉じると、バグが手紙を書き終わるまでだまって、ただ静かに星の夜空を見上げていました。



バグの大好きな星とおじさんとおばさんへの思いを込めた一本の万年筆。

この発明品がバグの、いや、星のみんなの人生を大きく変えていくことになろうとは、この時のバグには思いもしないことでした。


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