第2話:初めてのプレゼント
もともと発明が大好きなバグは、みんなを幸せにしたいという夢を見つけたことで、もっともっと発明が大好きになりました。
バグの頭の中はいつも発明のことでいっぱい。朝起きてからも、学校から帰ってきてからも、夜ご飯を食べているときも。学校でも発明のことを考えていてぼんやりとしてしまい、先生に叱られることもたびたびです。
またある時は、学校から帰ってきた途端に部屋にこもって朝まで出てこなかったこともありました。
おじさんとおばさんはそんなバグを心配することはあっても、けっして怒ることはしませんでした。二人はバグの夢が叶うことを心から望んでいました。そしてバグにはその才能があることもわかっていました。
バグは最近料理の味つけがうまくいかないと悩んでいるおばさんに、一振りで料理がとっても美味しくなる不思議な粉をプレゼントしました。腰が痛いと顔をしかめているおじさんには座るだけで腰の痛みがスッキリとなくなる特別な椅子をプレゼントしました。
二人は大喜びして、バグを抱きしめて言いました。
「バグ、ありがとう。おじさんとおばさんはこれだけでもう十分幸せだよ。」
心から喜んでくれた二人を見て、バグもすっかり嬉しくなってしまいました。
その後は腰の痛みがとれたおじさんと一緒に海に行き、二人でつかまえた虹色の魚を、おばさんがとびきり美味しい料理に仕上げて、三人で楽しい楽しい夕食会をしました。
バグの初めてのプレゼントはおじさんとおばさんを幸せにすることに大成功しました。