6ー冒険者ギルド
朝、鐘の音で目が覚めた。
結構、鐘の音がうるさいな〜と思いつつ着替えを済ませ部屋を出た。
「女将さん、おはようございます」
女将さんのリンさんに挨拶して、現地でお金を稼げる手段を聞いてみた。
「ハヤミ君、おはよう!お金を稼ぐ?ってハヤミ君、冒険者になる為にこの街に来たんじゃないのかい?」
女将さんは不思議そうな顔をしていた。
どうやらこの街は、開拓村の拠点になる街になっているそうだ。
この街を起点に西にいくつかの開拓村を作って行く、当然、未開発地域なのでまともの道もなく、魔物も徘徊している為、冒険者の仕事が溢れている事になる。
だから女将さんは冒険者以外になにをするの?と逆に思ったんだと思う・・・。
そうですよねと相槌をうち、1週間分の宿代を支払い部屋の確保をして宿を出た。
兎も角、冒険者ギルドに行ってみた。
冒険者ギルドは西地区の中心にあり、冒険者が溢れていた。
カウンターには8人のスタッフがいて冒険者をさばいていた、その光景を見て市役所みたいな感じだな〜と異世界の定番場所を眺めてしまった。
だいぶ冒険者が減って、列が並ぶ事がなくなってからカウンターの女性スタッフに話しかけた。
「すいません。冒険者になってお金を稼ぎたいんですけどどうすればいいでしょうか?」
「ご新規さんですね〜ではこちらの書類に書ける範囲で記入をお願いしますね〜」
女性スタッフは一枚の紙をこちらに差し出して、ペンを渡して来た。
紙の内容は名前、年齢、レベル、スキル、出身地の5項目だった。
名前はハヤミ、年齢は15歳、レベルは1、スキル0、出身地はニホンと書いて提出した。
「あら〜ちゃんと字が書けるんですね〜。うん有望!出身地のニホンってどこかしら?・・・ま〜いいわね」
となんか軽い感じで書類確認している。
「では、ハヤミさんこちらの水晶に手をおいてステークスとお願いしますね、これで犯罪履歴の確認と冒険者カードの作成できるんで〜。」
女性スタッフは前にみた水晶らしきものをおいて裏に下がった。
私は言われた通りに水晶に手をおいてステークスと言った。
タブレットが出てしまったがやはり誰にも見えていないようだった。
「はい、問題ありませんね〜このカードが冒険者カードになります。紛失した場合、銀貨10枚かかりますのでご注意してくださいね。このまま冒険者マニュアルお聞きになりますか?」
私は「はい」と答えてマニュアルを聞いた。
・冒険者はランクがあり、1〜10まである。(もちろん私は10である)
・一度カードを作ると水晶にて確認できる為、2枚目以降は作れない。
・冒険者は依頼内容を確認してギルドが受理すれば依頼を受ける事ができる。(基本的にはランクで決まる)
・依頼を受けて期日内に達成できなかった場合、違約金がかかる場合がある。
・冒険者は税金を納付する事は必要ないが依頼金より自動的に税金が引かれて渡される。
・依頼内容、突発的におきた事案で人を殺める事になった場合、ギルドにてステークスを確認する義務がある。(依頼を受ける際、水晶にカード記載義務があり、依頼後カード確認の為、水晶にて内容確認される。)
・依頼の内容に関わらず、冒険者の生死にギルドは関知しない。
・犯罪者は冒険者になれない。(犯罪を起こすとステークスに履歴が残るとの事。犯罪内容によるらしい。)
・ランク10はギルドにて教育を受ける事ができる。
・冒険者は2階の書庫を無料で読む事ができる。
と内容はこんな感じだった。
ま〜定番だよね、と思いつつ女性スタッフに礼をいい、カードの確認をした。
カードはクレジットカードのようなサイズと硬さで名前と年齢とスキルが書いてあった。
スキルは、自分の任意で表示できるとの事で、冒険者ギルドは護衛の仕事もあるので依頼主にアピールできる手段として使うらしい。
とりあえず受けれそうな依頼がないか依頼ボードを眺めていると、
「おい!小僧、俺様の足を踏んで謝りもないのか〜」
と顔を真っ赤にしたずんぐりむっくりな立派な顎髭をはやしたオジさんが私に向かって叫んでいた。
冒険者ギルドで、酔っ払いに絡まれるって…。
これも定番だよな〜と私は思って、ため息をついてしまった。
誤字・脱字 お許しください。