魔法を使ってみよう
「お腹空いた……。」
ギルドから出て昼頃だということが分かり、僕は少しお腹が空いていた。
「何かないかなぁ……。あ、あれ美味しそう!」
歩きながら物色していると、串焼きの屋台を見つけた。
「すみません、これ一本下さい!」
「おう。一本銅貨二枚な。」
僕は屋台のおじさんに銅貨二枚を手渡した。
「銅貨二枚、ちょうどだな。……はいよ。熱いから気を付けな。」
「はい。いただきます!」
僕は串焼きを食べ始めた。噛む度に肉汁が口一杯に広がり、しつこくない味付けで食が進んだ。
「お!坊主、いい食べっぷりだな!ほれ。一本サービスしてやるよ!」
「ありがとうございます。とても美味しいです!」
その二本を食べきるのにそこまで時間はかからなかった。
「ごちそうさまでした。とても美味しかったです!またきますね。」
「おう!何時でも来い!」
お腹を満たした僕は屋台のおじさんに見送られながら、目的地に向かった。
「……さてと。じゃあ始めようかな。」
僕はさっき本を読んでいた時に近くに平原があることを知り、そこに来ていた。
「本によると『魔法は体内か自然のマナを使い発動する』って書いてたから、まずは体内のマナを感じるところから始めようっと。」
そういって僕は目を閉じて体内のマナを探り始めた。
「う~ん……………。あっ、何か塊みたいなのがある!これがマナかなぁ?」
探り始めて少しして、僕はマナらしきものを見つけた。
「えーっと、『確固たるイメージがあれば詠唱無しでも発動出来る』…。イメージ、イメージ……。」
僕はマナらしきものを火にして体外に放出する、というようなイメージを作り始めた。ちなみにどうして火かというと、異世界の魔法といって初めに浮かんだのが火だったからだ。
「火、火…………あっ!?」
ボウッ!
という音と同時に手から火が出現した。
ちなみにここまで10分程しかかかっていないが、普通の人なら平均で数日はかかる。ヒロがこんなに早く魔法を発動出来たのは魔力操作の恩恵と、もといた世界で小説を読んだりしてイメージ力が高まっていたことがあるのだが、ヒロが知るのは大分後になる。
「やった!できた!よーし、この調子で続けよう!」
そうして僕は夕方になるまで魔法の練習を続けた。その結果……
マナミ・ヒロ 12歳 人族
職業:冒険者 ジョブ:魔法使い
レベル:4 冒険者ランク:G
HP:560 MP:10/560
筋力:160 魔力:160
耐久:360 敏捷:210
運:500
スキル
勘定 言語理解 魔力操作 スラッシュ 火魔法 水魔法 風魔法 雷魔法 回復魔法
魔法使いのジョブと五種類の魔法を覚えました♪
「ふぅ~。今日はこれぐらいかなぁ。さっ帰ろっと。」
魔法を覚えて上機嫌のまま僕はキキルに戻った。
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