町へ行こう
加筆修正しました。
「……はっ!?ここは?」
目が覚めると、どこかの森のようなところにいた。
青々とした木々がうっそうと生い茂っている。暖かい日差しとそよ風が心地良い。
「本当に転生したんだなぁ…。」
転生出来たことに感動を覚えながら、自分とその周りの状況を確認してみた。
(服はフード付きの黒い服に黒い短パン、黒いスニーカーみたいな靴かぁ…。服無しとかじゃなくて良かったぁ…。周りには……あっ、箱がある!)
一応周りを警戒しながら箱に近付いた。箱を開けてみると、鞘付きの短剣一本と知らないイラストが描かれた色違いの硬貨十数枚、それと紙が一枚入っていた。
真波ヒロくんへ
この手紙を読んでいると言うことは、無事に転生出来たみたいね。この箱に入っているものは自由に使っていいわよ。太陽がある方向へ真っ直ぐ進んでいけば町があるからそれからどうするかは貴方次第よ。頑張ってね♪
メサイアより
「メサイアさん、優しいなぁ…。………よし、じゃあ町にいきますかぁ!」
メサイアさんの優しさに感謝しながら僕は太陽を見ながら町へ向かうべく歩き出した。
歩きながら僕は体が健康なことに感動していた。
「ふ~ん、ふふ~ん♪」
鼻歌を交えながら二十分ほど歩くと大きな城壁なようなものが見えてきた。
「あっ、あれが町かな?」
城壁には正面に大きな門があり、そこには鎧を着たいかにも「門番」みたいな人たちがいた。
「すみません。」
「ん?君は見たことない顔だが、ここに来るのは初めてかい?」
そういってくれた門番さん(仮)は、三十歳位で細マッチョみたいな人だ。
「はい、初めてです。」
「そうか、きみは何処からきたんだい?」
「僕は……お爺様と人の来ない場所でひっそり暮らしていたんですけど、お爺様が死んでしまったので旅に出ることにしたんです。」
これは僕の読んでいた転生小説ではよく使われていた理由なので使うことにしました。
「そうか……。すまない、辛いことを聞いたね。」
「いえ、僕の中では収拾がついているので大丈夫です。僕はヒロと言います。あなたは?」
「私はリグルだ。君は身分証を持っていないんだろう?」
「はい、どうすれば良いでしょうか?」
「ふむ……では私に着いてきなさい。私はちょっと仕事から離れるが頼んだぞ。」
「了解ッス!」
そう答えたのは20歳位のちょっとチャラい感じの人だった。
~リグルさんに着いていくこと十分程~
「さぁ着いたぞ。身分証がないならこの冒険者ギルドにでも登録したらどうだい?ここでもらえる冒険者カードは身分証のかわりになるからな。」
「はい、そうします。ありがとうございますリグルさん。」
「かまわないさ、これくらい。じゃあ私は仕事に戻るよ。」
そういってリグルさんは門の方へ戻っていった。リグルさんに感謝して僕は意気揚々と冒険者ギルドに向かった。