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4章
刑務所に入って3カ月もした秋だった。
部屋にツタが侵入してきた。
そして、俺の元に1人の面会者が来た。
俺の元同僚、今の元上司だった。
会社が俺を雇い続けてくれることと、
俺が埋めたと自供した場所にはツタとシロツメグサが
はびこってたことがあっさりと言われた。
面会者が帰った後も、俺はその場から動くことができなかった。
あのツタは。
あのシロツメグサは。
あのストーカー女だったのか…!!
部屋に戻り、ツタを引っこ抜いた。
植物マニアだと後で話してくれた同室の一人が叫んだ。
俺の顔が、発狂寸前の顔だったからだ。
しかし。
毎日引っこ抜いてもツタは伸びてきた。
そして、受刑者の運動スペースにはシロツメグサが
私を踏めと言わんばかりに咲いていた。
俺はじきに狂いだした。
そんなとき、俺が引っこ抜くのを怠ったばかりに。
同室の一人がツタに首を締めあげられて死んだ。
あいつだ。
あの女に違いない。
俺に近づくものは消される。
震えが止まらないのは、同室の男あ死んだせいか。
はたまた、あの女のせいか。