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プロローグ

「くそっ、白鯨モビー・ディックめ…」

姿が見えぬ敵の前に沈められていく僚艦達を見つめながら艦長はつぶやいた

「ギアリング級駆逐艦カースルが...沈みます」

部下が深刻そうな顔で報告し、そして...

5時の方向で面舵一杯で回避行動をとっていたインディペンデンス級航空母艦に水柱が立った

インディペンデンス級空母10番艦ブリジストンは甲板上で待機させていたF4Uに搭載していた爆弾に引火し数分も立たぬまま転覆、轟沈した。

海上には多くの負傷兵が漂泊しているが、米艦は「白鯨」の攻撃を恐れとても救命作業など出来なかった。

見張り員が叫ぶ

「7時の方向より魚雷接近!雷跡2!!」

「取舵一杯、最大戦速!!」

「了解!」

アラスカ級大型巡洋艦3番艦ハワイのエンジンが唸りを上げる

「艦長...前方にカースルが...」

回避行動中のハワイの前方に艦尾が完全浸水したカースルが現れる

艦長はとっさの判断に迫られ一つの結論を出す

「カースルに向け主砲を発射せよ」

「し...しかし...」

艦長の判断に艦橋に居た者全員が凍り付いた

カースルの周りにはカースルの乗組員を含めフレッチャー級駆逐艦バーフォードの乗組員も漂泊している、今カースルを撃てばどれだけの被害が出るかなどということは言われなくとも分かる。

「撃て!!」

30.5cm3連装砲2基が火を吹く

目の前の船は更なる爆発がおき、未だ船に残っていた者達と共に海の藻くずと消えていく

その後をハワイが全速力で疾走する

魚雷は吹き飛ばされたカースルの破片に命中し爆発、巨大な水柱をたてハワイを大きく揺らした

艦長は通信機を取り

「アクティブ・ソナーを一度だけ打て。その後、我々でエネミーを沈める」

「了解」

向こう側からも返事が聞こえ、残存艦に発光信号を送る

コ・レ・ヨ・リ・ハ・ク・ゲ・イ・ヲ・シ・ズ・メ・ン・ト・ス

「10時の方向にて救命活動中のフレッチャー級駆逐艦アンツィオから返信」

コ・ウ・ウ・ン・ヲ・イ・ノ・ル

「ソナー 打て!」

そしてソナーが放たれ、結果は衝撃とともに帰ってきた

「なぜだ...なぜそんなところに居る」

艦長の脳裏に浮かんだものは

(こいつは正真正銘の海の悪魔デーモン、いや誰にも沈めることの出来ない。まさに白鯨モビー・ディックだ)


時は1944年8月21日 パナマ ヒカロン島沖20マイル 

この戦闘で帰還した艦はフレッチャー級駆逐艦アンツィオのみである

敵船はハワイからの最後の伝達によると東の方角へと消息を絶った模様

損失艦はハワイ・ブリジストン・カースルを含め駆逐艦5隻、軽空母2隻、巡洋艦1隻であった

アンツィオ艦長のブライアン・J・メイソンは後にこう語っている

「あの艦はこちらの予測を遥かに超えた動きで我々を翻弄してくる。あの戦闘力は到底人間の作り出せるものではなかったが、彼らはそれをやってのけた。だが彼らは日本人の武士道というものを大切にしていたと思う。なぜなら、今私が生きているのは救命活動中の艦を攻撃しないという彼らの武士道と言うもののおかげかもしれないからだ。」 




1944年7月26日 大日本帝国 横須賀鎮守府

豊田とみた 副武そむえ司令長官、2月10日に潜水部が設置されてから我々は特に戦果を出すことも出来ずにいます。ですが今月1日に丙型へいがた改潜水艦、通称 伊52型潜水艦4番艦である伊59が我が隊に配属されました。そこで鬼畜米国に一矢を報いようとドイツの潜水艦U509と共同でパナマ運河に攻撃を仕掛けるという作戦を提案します。決行日は8月22日。作戦名は『草薙くさなぎ作戦』」

会議場には横長い机がある。

その周りに幾人もの軍人が座っており、皆が暗い表情をしている。

皆が「もはや敗戦は必死なり」と考えていた。

だが一人、横須賀鎮守府潜水部長官 浅井あさい 桄榔峯つぐねは鎮守府司令長官に作戦の概要が書かれた書類を提出する。副武は書類を受け取り軽く目を通す。

(好戦派に否定は馬耳東風だ)と考えた副武は作戦を承諾。

翌日に伊59は横須賀港を出港した...





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