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イーヴィル・アイ(邪視眼)  作者: ランプライト
第XII章:可能性×管理者
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-058-

大きな「揺らぎ」が行き過ぎて、…

圧し潰されそうな「振動」が次第に、散らばって、…


気がついたら、もう、男の子の姿は、何処にも、…見当たらなかった。


いや、そう言う「自分」の姿すら、何処にも、…見当たらない。


誰かが見ていてくれないと、自分は居ないのと同じ。

それって、つまり、こういう事なんだ、と、初めて改めて、…実感する。



本当に一人ぼっちになったら、上も下も西も東も昨日も明日も、…何にも関係ないんだナ。

私は、本当に心細くなって、ただただ、迷子の女の子みたいに、…蹲って途方に暮れる。


泣いても仕方がないから泣かないけど、と言うか、私と言う「世界中の他とは隔絶されたモノ」が存在する事自体、最早もはや怪しいけど。


「私」と「世界」は隔てるモノも、裏も表も無くなって、…本当に一つになる。



それでも、「私」は、相変わらず存在を続けていた。


どこか、遠くで、私だったモノを呼ぶ声が聞こえる。


//:「黄昏ていないで、少し位は悲壮に泣き喚いたらどうかな?」

藤森:「そうね、でも、泣いてもどうにもならないんじゃない? もう手遅れよ。」


私は、何時も、ココゾトいうタイミングを逃す。



でも、…誰が? 話しかけてくるんだ?

そう言えば、私の内側に、私の魂を半分食べた「悪魔」の欠片が居たっけ。


藤森:「あんた、消滅したんじゃなかったの?」

//:「君の外側に居た僕の128分の127は、殆ど消滅したのと同じ、…かな。」


藤森:「それで、アンタは何者なの?」

//:「128分の1、」


藤森:「どうして、半端なアンタだけ、消滅しないで済んだのよ?」


//:「正確な理由は分からないけれど、僕達は未だ、お互いを認識し合っているみたいだね。 多分、君の身体に書かれた「文字」の力のお蔭だと思う。」


//:「「ヒエログラフ」は「言葉」は「文字」は、「ルール」の最も純粋な形だとも言える。 だから、魔法使いは「此処」から「魔術」を取り出す時に、「呪文」と「文字」を使うんだ。 君の全身に施された「ヒエログラフ」のお蔭で、その内側にいた君と僕は、バラバラにならずに済んだ、と言えない事も無いかも知れない。」


藤森:「この「ヒエログラフ」のお蔭?」


そう言った途端に、私の全身に施された「ヒエログラフ」が、仄かに青白い光を、…放った。



藤森:「何で、今?…光った?」

//:「呼んだからじゃない?」


藤森:「ヒエログラフ、…」


再びの呼びかけに応える様に、

私の全身に施された「ヒエログラフ」が、ひときわ明るい青の輝きを、…放つ。



藤森:「どら焼き、…」


そう言った途端に、私の目の前で、青く輝く「ドラ焼きっぽい形の光る煙」ミタイナものが一瞬現れて!


それから直ぐに形を失って、闇に溶ける様に、…消えてしまう。



藤森:「立田揚げ、…」


今度は、青く輝く「立田揚げ」ぽい光の束が現れて! やっぱり直ぐに、…消えてしまう。



藤森:「私、ちょっと判ったかも知れない!」


藤森:「つまりこの世界は「可能性のスープ」なんでしょう?…「何でもあり」の、それで「殆ど何にも無いのと同じ」なのは、「認識するモノ」が居ないから。…つまり、私が認識すれば、此処ならどんなものでも手に入れる事ができる! って、そういう事じゃ無い?」


//:「成る程、そうとも言う、…」



藤森:「だったらきっと!…元の世界に帰る為の材料も、手に入れられる筈よ! そうよね!」


//:「それとこれとは別だよ、…判るだろう、もし仮に、此処で何かを作れたとしても、だからと言って、それは元の世界に通じる通路じゃ無い。 此の「可能性のスープ」の中限定の幻に過ぎない。 可能性のエーテルが、ほんの少し密度を上げただけの事だよ。」


藤森:「判らないわよ、諦めないわよ、兎に角、今何か出来るなら、きっとソレをするべきだわ。」



藤森:「だって、今、私が此処に存在しているって事は、つまり何か出来るって事なんでしょ?」


//:「成る程、そうとも言う、…」

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