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イーヴィル・アイ(邪視眼)  作者: ランプライト
第十章:水×聖霊
49/65

-049-

青磁の割れる音:「カシャン!」


一同が振り返ったテーブルの上に、有る筈の壺が、…見当たらない。


代わりに、暗い地下室の中の半地下の部品倉庫の様な陰気臭い部屋の隅に、



男の子が、…立っていた。


あの、技術工作教室に居た、男の子だ、…相変わらず凄く可愛いい、、しかも、



何故か、…真っ裸?



関目:「お前は、…牧野凱吾か、」

藤森:「…って、アンタ此の子の事、知ってるの?」


関目:「お前が色欲の侭に小水を舐めたとか言う、悪霊の残骸だろう。 」


三条:「おしっこ、…飲んだんですか? 御姉様!」


何故だか、茜の大きな瞳が、興味津々に、…輝いている?


藤森:「誤解よ! 茜!…お願い、説明させて!」


何で、私、こんなに焦ってる??



関目:「…しかし「そんなモノ」が何故、結界の施されたこの部屋へ入って来れる?」


ちょっと、待てよ、…牧野凱吾って、何処かで聞いた?

ガイア=ちょっと変梃りんなこの名前って、確か、…3年前の殺人鬼!?



男の子:「僕は、「願いを叶えるモノ」、」

男の子:「君達が「悪霊」と呼ぶ存在とは、カテゴリが異なるんだ。」


男の子は、綺麗な裸ンぼの侭の格好を、惜しげもなく魅せ付けながら、憂いを秘めた微笑みで、私の事を、…見詰めてる?



関目:「その壺を壊したのはお前か?」

男の子:「小さかったから、出てくる時に、割れちゃった。」


関目:「「アメミット」は、どうした?」


男の子は、黙って、舌を、…べーっと出して、

その口の中から、親指の先程に小さくなったピンク色のウミウシを、…吐き零した。


床に落ちて、クタクタにしおれる、「アメミット」



関目:「貴様、何故、「アメミット」に触れて、平気で居られる?」

男の子:「平気だよ、だって「コレ」は元々、僕達が使う「道具」だもの。」


男の子は、ちょっと困り顔で、…苦笑いする、


関目:「お前達の「道具」だと?」

男の子:「そうだよ。 それは「神々の戦争」で「悪魔」(=敵対する神)を成敗する為の「道具」だ。 でも、僕達の「道具」は、僕達を完全に消滅させる事は出来ない。 そんな風には、出来ていないんだ。」



関目:「お前は、一体、何者なんだ?」

男の子:「言ったでしょ、僕は「願いを叶えるモノ」だよ。」


関目:「貴様、…「悪魔」、か、」


茜が、懐からナザール・ボンジュウを取り出して、男の子に向けて、…掲げる。

高次の霊的な存在に反応する様に、ペンダントから、眩いばかりの青い光の渦が、…溢れ出す!



男の子:「凄いね、そのアミュレットには、特別な力が仕込んであるみたいだ。 でも、正しく使わなければ、効果は十分じゃない。」


関目が、茜の前に立ちはだかって、「男の子」と、対峙する。


関目:「「アメミット」に食われたものは、たとえ悪魔だろうと、この世への転生は出来ない筈だ、」


男の子:「そうだね、転生はしてないよ。 それは「ルール」だからね。 でも僕達は「悪霊/聖霊」なんかよりもずっとしっかりしたバックアップとリカバリ機能を備えているんだ。 だから君が「アメミット」と呼ぶ「この子」の中でも、きちんと「再生」する事が出来た。」


男の子は、両掌を広げて、クルクル身体を捻りながら、綺麗な男の子の裸の裏表を、…魅せ付ける。



男の子:「それに君は「アメミット」の機能をきちんと理解していないみたいだね。 「この子」は食べた物を壊してしまう訳じゃない。 一度この世に存在したものを初期化して無かった事にするのは、「神」にだって容易じゃないんだ。 特に「人間の魂のオリジナル」は、「神」と共に「クラウド」の中に在るからね、」


関目:「ナニを、言っている?」


男の子:「「アメミット」は「人間の魂」や「聖霊」を「神」のメイン・ネットワークから一時切り離して保存しておく、「外部メモリ」ミタイなものなんだ。 だから、コレまでに食べた全ての「情報」は、きちんと保存されているんだよ。」


何故だか、関目は、蛇に睨まれた蛙の如くに、微動だにできない?


男の子:「そして、君が、バラバラになった僕の「情報」を「コノ子」の中に集めてくれたから、お陰で、僕は、あっと言う間に、予定よりも250年位早く、再生できちゃったんだ。」



男の子:「そういう訳だから、君には感謝してもしきれないよ。…セキメトオル君、」


男の子の瞳が、妖しく、…青い輝きを放つ。


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