表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イーヴィル・アイ(邪視眼)  作者: ランプライト
第九章:偽り×友達
42/65

-042-

萱島:「どないしたん?」

藤森:「ちょっと、気になる事、思い出して。」


三条:「日を改めますか?」

藤森:「いや、良い、…行こ。」


私は、千恵子の事に後ろ髪を引かれながらも、先ずは有力な手掛かりになるであろう、「舘野涼子」を訪ねる事を優先する。 …千恵子には、何時でも会える筈。



藤森:「彼女、舘野さんって、こんな時間でも学校に居るの?」

三条:「はい、と言うか、本当の所学校に住んでいるんです。」


藤森:「学校に、住んでる?」


舘野涼子の事を話す茜の表情は、何処と無く誇らしげで、優しげだった。



三条:「実は涼子さんは、…私が知っている涼子御姉様は、私の父の知り合いの知り合いで、父が知り合いの人から頼まれて、この学校で暮らしているんです。」


萱島:「へえ、…せやけど、この学校って寮なんか有ったん?」


三条:「昔は地方から通う生徒の為の寮がありましたけど、今は使ってません。 それに、…涼子御姉様がいるのは、ちょっと、寮とは違う場所なんです。」


そう言うと、茜は、私達を、例の、地下室へ続く階段へと、…導いて行く。



藤森:「ちょっと、茜、…何処へ行くつもり?」

萱島:「いやや、此処って、あの、…怖いトコとちゃうん?」


茜は階段室のドアの前で立ち止まり、振り返って、少し怪訝そうな顔で、私達に微笑みかける。



三条:「地下室、なんですけど、…」

藤森:「前に言わなかったっけ、怪しい男の声がする部屋が有るって。…迂闊に、」


そこ迄言って、私は、大事な事を、…思い出した。


あの日、地下室で聞いた怪しい男の声、確か、…

「一刻」、「残り」、「閉じ込める」、「早く」、「生徒」、「よりまし」、


それって、もしかすると、あの、私が拉致ラレタ廃校の体育館で、緑のシート越しに聞いた、あの中年男の声と、同じ?…「お前は、悪霊に魂を売って、奴らの「シ」に、なったのだ。」



尸童よりまし」とは、神霊を降ろす巫女や童子を指す言葉だ。 宗教学では「シャーマン」と言う言葉を使われる。


古代エジプト呪術や、卑弥呼の鬼道、安倍晴明の陰陽道等にも共通で、…変性意識状態アルタードステイツになって、幽体離脱アストラルトリップして霊的存在と交信したり、自分の身体に霊的存在を憑依させて喋らせる役割を持つ者、これが「尸童」である。


こんな、変梃へんてこりんな言葉を使う中年男が、そうそうそこら中に居る訳が無い、つまり、…


あの、変態中年男は、あの部屋に居る、…可能性が極めて高い。



三条:「御姉様? どうか、しました?」

藤森:「あっ、ちょっと、…怖くなって、ほら、色々あったから、…」


でも、だとすると、茜は、あの変態と、グルなのか?

どうする? 変態の居場所を突き止めたいのは山々だが、幾らなんでも急すぎる。 何の備えも無しに遭遇すれば、前回同様、…私に勝ち目は無い。



茜が、クスリと、失笑を漏らす。


三条:「そんな、ちっとも怖くなんか無いですよ。 涼子御姉様はとっても優しい方です。 それに、御姉様なら、きっと気に入ってくださいますよ、…実は涼子御姉様のお部屋は、秘密のオカルト同好会の部室にもなっているんです。 そうそう、エジプト魔術に凄く詳しい人も居るんですよ!」


それって、あの、変態中年男の事だよね!…


それにしても、三条茜、コノ子は、一体、何を考えているんだ?

やはり、コノ子が、黒幕なのか? それとも、本当の本当に、…天然なの?



それよりも、ここで、逃げ出したら、…怪しまれるか?

それに、もしかするとこれは、決定的証拠を掴む、チャンスかも知れないのだ。


携帯をスタンバッておいて、いざとなれば直ぐに警察に電話、すればいい。

もしかしたら、証拠になる写真も、取れるかも知れない。


そうだ、美弥子は、いざという時の為に、…地上ここに、残しておいた方が良い。



藤森:「分った、…美弥子は、怖いだろうから、此処で待ってて。 私と、茜で行って来る。」


三条:「萱島さんもいらっしゃれば良いのに、確か、美味しいクッキーが未だ残っていた筈、…」


何故、美弥子も道連れにしようとする? やっぱり、一網打尽に掴まえて、何処か、三条家の息の掛かった山奥の倉庫で、…また「あんな事」を、…するつもりなの?



萱島:「ほんまに、大丈夫なん?…怖ない?」

藤森:「止めとき、アンタビビリやろ。直ぐに戻って来るから、此処で待ってえな、」


…って私、何で大阪弁が感染うつってんの?


三条:「でも、一人で校舎に残ってる方が、…不気味ですよ。」

藤森:「良いから、行こう、…茜、」


私は、不審がる茜の背中を押して、地下室へと続く長い階段を、降りて行く。

地下への階段は、何故だか地上の階段の2倍位の段数が有るのだ。





果たして、愈々、予想通り、三条茜は、あの晩、怪しい声が聞こえた地下室のドアの前に立つ。


私は、早鐘の様に鳴り始めた心臓を押さえつける様にして、何気ない素振りを装いながら、手提げ鞄のポケットの中で隠し持った携帯電話を、握りしめる。


ドアは、茜の細い指先によって、イトも簡単にするりと、…開いた。



三条:「さあ、どうぞ、ご遠慮なく、…入って下さい。」

藤森:「うん、…おじゃましま、す。」


ドアの向こう側は、鉄板剥き出しの階段の踊り場になっていて、其処から更に降りた半地下に、まるで倉庫の様な昏いフロアが、…拡がっていた。


茜は妖しく微笑みながら、私を促してフロアへ続く階段へと誘い、それから後ろ手に、ドアの鍵を、…


施錠した。



中年男:「おやおや、意外に早い、到着だったな。」

藤森:「やっぱり、…」


そこに居たのは、今にも涎を垂らしそうな厭らしいニタニタ哂いを、イタイケなJKに、見せ付ける、…変態中年非常勤保険医。。。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ