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イーヴィル・アイ(邪視眼)  作者: ランプライト
第四章:呪い×残痕
19/65

-019-

そんなこんなで、私は夏休みの無人の保健室で、一人ベッドに横になっていた。

念の為にと、駒ちゃん(注、担任♀)が、保険医の先生を呼びに行ってくれている。


しかし、これが本当に呪いの類の物だとしたら、学校の保険医風情に、どうこう出来る訳が無い。


誰に、相談すればいい? …オカルトに精通しているとすれば、三条さん。 でも、もしもこれが三条さんの取巻きの誰かの仕業だとしたら? 三条さんを巻き込む事は、事態をより悪化させる可能性もある。


落ち着け私、落ち着け楓!


嫌な事がいっぺんにドシャっとやってきて、愈愈パニクって、もう限界! …生理とか、鼠の屍骸とか、蛆虫とか、排水溝に詰まった髪の毛とか、コンディショナー切れてるとか、お局とか、ゲロとか、係りとか、卑屈な天然女とか、陰険な取り巻き連中とか、いい気な我侭女王様とか、地下室とか、本棚とか、ポスターとか、ポスターとか! ポスターとか!!


ベッドを仕切るカーテンの隙間から、気持ちの悪い「視線」を感じて、

振り向くと、また、あの、…防犯ポスター



藤森:「何なのよ、一体!」


私は、ベッドから飛び出して! ポスターに対峙する。

私は、半泣きになりながら、「ホルスの目」と対峙する。


再びジクリと、掌の痣が傷む、//:「腹立つ!…」

まるでこのポスターの「目」に反応しているかの様に、掌の痣が、…痛む。//:「腹立つ!…」


生徒会の判子の日付は、去年の5月//:「また違う !…」

作者の名前は、望月唯//:「また違う!…」


藤森:「ふざけてる!」//:「コンナモノヤブッテシマエ!…」

ポスター:「ビリリっ!」//:「ヤブッテシマエ!…」


私は、敵意を剥きだしにして、そのポスターを、…破り取った。。。//:「ザマアミロ!」





不意に、耳鳴りが止まった様に、…感じた。

不意に、気が狂ったミタイに、…冷静になる。


気付かない内に、今迄ずっと、私の耳の中で、頭の中で、何かが、囁いていた?



何が、…私に憑りついているの?


私は、急に怖くなって、…ぐしゃぐしゃに握り締めたそのポスターを、床に、…投げ捨てる、


喉が、きゅっーと縮んで、…吐きそう、


床に落ちたポスターの「目玉」が、私を、…見ている?


//:「見ルナ! 私ヲ見ルナ!…」





低い声:「何をしている?」


ビクリ! と、私は一瞬、震え上がり、…

深呼吸して、振り返ると其処に、背の高い、見るからに陰険そうな、中年男が、…立っていた。

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