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藤森:「どうして私なんか誘ってくれるんです?」
高級外車の後部座席で二人並んで座りながら、何だか上機嫌な女王様に、恐る恐る尋ねてみる。
三条:「私、お友達が欲しかったの、藤森さんとなら、きっと仲良くなれると思ったんです。」
藤森:「三条さん、友達沢山居るじゃないですか。」
私には、友達が少ない。 今のところ親友の萱島美弥子と、千恵子ちゃんの二人だけだ。
一方で、女王様の周りには、何時でも誰かしら数人の「取り巻き」が、控えている。
三条:「皆さんは仲良くして下さるけれど、「本当の私」を知ったら、きっと幻滅されてしまうと思うんです。」
三条:「でも藤森さんは、私と同じ匂いがするの!」
藤森:「はあ、…匂いですか?」
三条:「藤森さんの携帯ストラップ、とても可愛らしいですね、それ、どうして付けているんですか?」
いや、私の携帯ストラップは、チットモ可愛くなんか無い。だって、これ、「蘇民将来」、、
どうしてって、…差し障り無く応えるなら「父に買ってもらった御守だから」、でも、彼女は、「ナザール・ボンジュウ」を身に付ける様なツワモノなのだ、だから答えは、…
藤森:「それは、…浪漫だから、」
三条:「ほら、やっぱりね! 藤森さんも私の仲間!」
行き成り、女王様が、嬉しそうに私の両手を取って、…ブンブン振り回す?!
この人って、…こんなキャラだったの?
三条:「お母様にも内緒なのよ、でも、どうしても誰かに見てもらいたかったの、…」
通された女王様の個室には、山の様な、…オカルトグッズ、本、ビデオ、
藤森:「凄い、…」
三条:「イギリスの紅茶よ、ペットボトルの水で淹れると、とても美味しいの。」
女王様は、嬉しそうに茶漉し器で私のカップに、紅茶を注いでくれる。
三条:「これ、ご存知なのね、…可愛いでしょう?」
そう言って、女王様は、Fカップの乳房の谷間の深い所から、ホカホカに温まった「青い目玉のペンダント」を取り出して、私に見せてくれた。
藤森:「綺麗、…本物を見たの、始めて、」
三条:「イギリスに住んでいる父の友人が、ノッティンガムヒルのポートベロー・マーケットで手に入れたアンティークなの。とても強力な魔除けの力を持っているからって、ワザワザ送ってくださったの。」
「ナザール・ボンジュウ」;魔除けの目、いや元々は、全ての敵を滅ぼす「邪視=イーヴィル・アイ」に対抗する為の、…カウンター・ウエポン。
藤森:「良いなあ~、」
三条:「でしょ! きっと、そんな風に言ってくれるのは、藤森さんだけだと思う。」
三条:「だから、とても嬉しい!」
エピソード3 「学校×地下室」
登場人物のおさらい
藤森楓:主人公
大和田千恵子:討論大会係の友達
三条茜:学園の女王様、結構良い子?
イラストは「ナザール・ボンジュウ」またの名を「メデューサの瞳」