-013-
ええっ!もしかして私、…潰されちゃうの!
急いで戻ろうと駆け出した所へ、急に!…
両側の本棚から分厚い百科事典が崩れ落ちて来た!
藤森:「うわっ…」
したたか鼻っ柱をぶつけて、火花を散らし、…
床に転がった百科事典に足を引っ掛けられて、思いっきり、私は、…
転ぶ!:「バタっ!」ミタイに、…
藤森:「あ痛たぁ!…」
藤森:「えっ!嘘ぉ!ああー、ぎゃああああーー、」
無情にも、重い本棚は、
身動きの出来ない私をの両側から押し潰す様に迫って来て、…
私ごと、…ピッタリと、…閉じてしまった。…
その隙間約1cm、
先生:「藤森さん! 藤森さん!」//:「あー、こりゃあ、大変だぞ!」
先生:「藤森さん! …先生の声、聞こえる?」//:「誰の所為だ? 誰の責任だ?」
どれ位、経ったのだろう? 私、気を失っていた? どこか遠くから、…声が聞こえる。
って、私! 生きてる? どうやって助かった??
やがて、書庫が左右に開いて行って、無様にすっ転んだ格好の私が、懐中電灯に晒される。
業者:「動いた!、開いた!開いたぞ!」
先生:「藤森さん!…大丈夫?」
藤森:「はあ、何とか、…」
私は本棚の下の隙間に、ぎりぎり潜り込めた、らしい。…痩せてて良かった。 (注、正確には胸がまな板で良かった、か?)
男性教諭:「だから、一人で入ってはいかんと、あれほど言っただろう!」
誰か、見当違いのオッサンが、吼えている。 明らかに責任逃れだ、先ずは私を心配しろ!イタワレ!
大和田:「ごめんなさい。…」
それなのに、千恵子が謝っている。 全く!あの子の所為じゃないだろうに、…
でも、何で? 突然、本棚が閉まってきたんだ?
先生:「危なかったな。機械の誤作動だって、此処、随分長い間使って無かったからね、」
藤森:「はあ、…」
業者:「これさあ、普通に立ってれば、センサーに触れた時点で書棚が止まって、開いて行くんだけど、…センサーは真ん中の棚にしか着いてないんだよね、」
思い出した様に、ゾッと、悪寒が、私を捉える。
もし、下の隙間が、もう少し狭かったら、私一体、…どうなってたんだろう?
藤森:「痛たっ!」
最下段の棚の下に無理やり(棚を押し上げて)潜り込んだ後頭部が、一寸ズキズキする。 それと、…見ると両手の掌に、小さな丸い痣が、出来ていた。
藤森:「なんだこれ?」//:「何処かで、尖ったモノでも踏ん付けたのかな?」