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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

悪夢はいつも突然に

作者:松宮星
 夢を見ているのだとわかっていて、夢を見ている時がある。


 ああ、これは夢だ。と、思いながら、その世界なりのルールに従い、私は考え、行動する。


 その夢の時も、そうだった。


 私は小学生に戻っていた。
 たしか、小学六年生に。


 私はクラスメイトと共に、家庭科室に居た。
 皆でチャイムを待っていたのだ。


 試合開始のチャイムを。


 殺人ゲーム開始の合図を。


 クラスごとにクジを引き、どの教室を基地にするかを決めた。
 作戦は自由。
 教室の内に籠って自衛するのでも、打って出て他の教室を襲うのでもいい。


 夢なので、細かいことはわからない。
 他クラスを全滅させれば勝ちなのか、
 一定時間生き残ればいいのか、そのへんはわからない。


 だが、その夢の中で、私はいろいろ考えた。
「理科室にこもりたかった」と、嘆く男子を、私は内心バカにしていた。


 家庭科室は、悪くない基地だ………私はそう思っていた。
 包丁もナイフもある。
 熱湯をわかすという手もある。
 まな板だって、スリコギだって、フォークだって、フライパンだって、
 いや、茶わんや皿でも十分な凶器だ。


 負けるはずはない………


 私は確信していた。


 しかし………


 チャイムと同時に、クラスメイト達が次々と、銀のボウルを片手に家庭科室から打って出る。


 私も後を追った。


 廊下に机で作られたバリケードをのりこえ、
 普通教室にわりあてられた不運なクラスを襲いに行く。


 いつの間にか、私の左手にも銀のボウルがあった。
 私は教室からなだれ出てきた哀れな獲物達に向かい、武器を投げつけようとうとした。
 銀のボウルの中のものを。


 だが………


 ふにょっと、妙な手触り。
 右手につかんだものを、私はまじまじと見つめた。


「豚ロース肉………」


 トンカツやピカタによく使う、あの肉だ。
 ご丁寧に小麦粉までまぶしてある………


 見れば………


 クラスメイト達が豚ロース肉を、敵に投げつけていた。
 小麦粉が宙を舞う。
 べちょ。
 べたん。
 と、敵に命中する豚ロース肉………


 豚ロース肉を拾い、敵もこちらに投げ返してくる。
 べちょ。
 べたん。
 と、クラスメイトの顔や体に当たる豚ロース肉………


 あたりは、すっかり、雪合戦のようなノリになっていた。
 飛び交っているのは豚ロース肉だが………


「何で、豚ロース肉??????」


 夢の中で、私は叫んでいた。
 夢とはいえ、納得できなかったのだ。



* * * * * * * *



 目覚めてからも、私は頭を抱えていた。


「何で、豚ロース肉なの?」


 夢とはいえ、本格的な殺人ゲームなんて見たくなかった。
 夢とはいえ、殺人をしなくて良かった。


 しかし………


「何で、豚ロース肉なのぉ?」


 解けるはずのない謎だけが、永遠に残ってしまった………
「漂流教室」と「バトルロワイヤル」の影響でしょうか?

夢の中で触った肉の感触が、妙にリアルでした。
何でこんな夢、見たんでしょう………

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