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「増え続ける行列と待つ声」
その声は、
あるモノが
返事ができないことがわかっているクセに、
今度は、
「まだ、不満かな?」
と
まるで意地悪するかのように、
問いかけ続けた。
そして、
その問いかけが続く間、
子どもの行列は
さらに長くなっていった。
「もう満足してもよさそうだがな」
「早く、返事をしろ」
「まだまだ不満なのか」
その声の主は、
あるモノが、
「はい」
と言うまで、
声をかけ続けるかのように、
似たような言葉をあるモノに吐き続けた。
しかし、
あるモノは何もすることができなかった。
そして、子どもの行列はますます増え続けた。
「そういうことか?
まあ、勝手にするがいい。
それにしてもこんなにいたとはな」
声の主は、
増え続ける子どもたちの行列が途絶えるまで
待つことにしたようだった。
「上空からです。
子どもの行列は途絶えるどころか、
増える一方です。
トッキーさん!聞こえますか?
そちらの様子はどうですか?」