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「究極の選択」
究極の美しさを得るためには、
人間以外になるしかないのである。
「さあ、究極の美を得るのだ。
それが
おまえらの願いだったのだろう!」
少女と男には、
どこかで聞いた声が聞こえた。
その声に対し、
少女も男も黙ったまま、
首を横に振った。
「なら、
究極の美をあきらめるのだな!」
少女と男には、
またその声が聞こえた。
その声に、
男は首を縦に振った。
しかし、
少女は動かなかった。
まだ、迷いがあるようだった。
「これが最後のチャンスだ!
究極の美を得るのか?
それとも、
あきらめるのか?
さあ、決めるのだ!」
どうやら、
その声は、
男と少女双方に同一の答えを
要求しているようだった。
どうやら、
男は究極の美を諦め、
女は究極の美を求めているようだった。
「どうやら、考えが違うようだな。
なら」
その声とほぼ同時に、
少女が男の首を絞め始めた。