「少女の祈りと欲望」
あおむによる少女連続殺人事件を担当していた警察官が
資料を持って、
あおむの遺体がある例の村にやってきた。
村の担当の警察官は
その際、連続殺人事件の資料を見た。
そして、その中の被害者の生前の写真を見て、
愕然とした。
警官が見た被害女性の生前の写真が、
あのとき寝ていた少女にそっくりだったからだ。
「カミサン、カミサン、カミサン!
もう悪いことは考えませんから、
元に戻してください」
少女は暗闇の中で、
一人、
祈っていた。
「カミサン、カミサン、カミサン!
もう悪いことは考えませんから、
元に戻してください」
少女は何度も何度も暗闇の中で、
一人、祈る。
しかし、
何の応答すらなかった。
欲望がある限り、
カミサンは少女を救うことはないであろう。
暗がりで少女の言葉を聞いていたあるものは、
そう思いながら、
少女の言葉を聞いていた。
「カミサン、カミサン、カミサン!
もう悪いことは絶対に考えません。
元に戻れないなら、
せめて、
ここから出してください」
少女は今度は祈りの内容を変えた。
だが、
何の応答もなかった。
少女にはまだまだ欲望がある。
すべてを諦めたあるものはそう思いながら、
少女の言葉を聞いていた。