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「変身したあおむの姿?」
「じゃあ、ばあさん。
任せたぞ」
老人は風呂場の前にあおむを横に寝かせると、
そう言って、
どこかに言った。
「こりゃ、たいへんじゃのう」
老婆はあおむを見て、そう呟いた。
「息はあるから
生きてはいるんじゃろうが、
臭いのう」
老婆はそう言って、
あおむが着ているものを脱がしてから、
風呂場のすのこの上にあおむを寝かせて、
冷たい水をぶっかけた。
あおむはあまりの冷たさに声をだしかけたが、
必死で堪えた。
「あー。湯を沸かすの忘れてたのう。
じゃが、これで目を覚まさんとは
もうダメかもしれんのう」
老婆はそうぶつぶつ言いながら、
また、あおむに冷たい水をぶっかけた。
「どうにか綺麗になったのう」
老婆はそう言うと、
あおむの身体を拭いて、
着物を着させた。
「それにしてもひどいもんじゃのう。
で、捨てられたな」
あおむは自分の顔がみたくて
しょうがなかった。