「悩みと疑問」
かおむは悩んだ。
考えていたのは三つだった。
ひとつは自分が考えているように、
前の自分の姿に戻してもらう。
もう一つはこのままで我慢する。
そして、
残りは、
カミサンに一任する。
そして、
かおむはこのままの姿だけはイヤだと思ったので、
1番目か3番目のどちらかにしようと思っていた。
そのとき、
「早く決めるのだ。
決められないのなら、任せるか」
という声が聞こえた。
「任せるか」
かおむはその声を聞いて、
覚悟を決めた。
「カミサン、カミサン、カミサン、
僕はもう決めました。
僕は一からやり直すだす。
だすから、
やっぱり、
元の姿に戻してください。
お願いだす」
かおむは心の中でそう祈った。
「一からやり直すだと!
それは無理だ!」
かおむにはそういう声が聞こえた。
とたんに、
かおむはまた悩み始めた。
「一からやり直すだと!
それは無理だ!」
という声を聞いて、
かおむはどの時点に自分が戻るのか
を想像して悩んでいた。
かおむが子供より前の姿に戻れることはない
ということはその声から明かだったからだ。
いつの時の自分の姿に戻るのだろうか?
かおむは考えた末、心の中で聞いてみた。
「僕の前の姿とはいつの姿だすか」
と。