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「大目玉とカミサンへの祈り」
かおむは自分の考えがあっているのか
試そうとした。
しかし、
足も手もないので、
動けなかった。
かおむはまた考えた。
しかし、
自分には考える脳があると。
そして、
自分には
脳と目玉以外に何かないのかと、
また、
考え始めた。
かおむは考えた結果、
目前には鏡があり、
自分は今見ている目玉なのではないか
と考えた。
そこで、
試しにまばたきをしようとしたが、
目玉しかないので、
それもできなかった。
しかし、
目の前の目玉は何故かまばたきをしたのだった。
かおむの考えは誤りだった。
では、自分と目の前の目玉は何ものなのか、
かおむはまた考えた。
かおむの目の前に見える大きな目玉は
またまばたきした。
どうやら自分をみているようだと、
かおむは考えた。
もう一度、
カミサンに祈ってみようと。
「カミサン、カミサン、カミサン、
もう懲りただすよ。
どうにか僕を助けてくれだす。
目玉と脳だけでは苦しいだす。
お願いだす。
本当にこれが最後のお願いだす。
もう一度、僕に戻してくれだすよ」
かおむはそう祈った。