「化け物とカミサン」
「カミサン、カミサン、カミサン。
あー、もうひとつだけお願いだす。
この化け物と
奇声を消したくれだすよ。
カミサン、カミサン、カミサン。
お願いだす」
かおむはそう祈ったが、
化け物の数はどんどん増え、
奇声の量もは多くなっていた。
「カミサン、カミサン、カミサン。
あー、ごめんだす。
僕が欲張ったのがいけなかっただす。
化け物と奇声は我慢するだすから、
元の数に戻してくれだすよ。
お願いだすよ!
カミサン、カミサン、カミサン」
かおむは欲張ったことに気づき、
そう祈った。
すると、
化け物の数はそれ以上増えなくなった。
「カミサン、カミサン、カミサン。
ありがとうだす。
本当に反省してるだす。
カミサン、カミサン、カミサン。
ありがとうだす」
かおむは化け物の数が増えなくなったので、
そうお礼を込めてそう祈った。
すると、
今度は、化け物が奇声を上げながら、
どんどん減って行った。
化け物が奇声を上げながら、
どんどん減って行ったので、
かおむは、
「カミサン、カミサン、カミサン。
ありがとうだす。
本当に反省してるだす。
カミサン、カミサン、カミサン。
ありがとうだす」
さらに祈りを続けた。
そして、
ついには、
かおむの周りから
化け物らしいものが一切消えた。