「化け物たちと何ものか」
しーんとした静けさと暗闇の中、
かおむの身体はますます冷えてきた。
「カミサン、カミサン、カミサン。
もう許してくれだす。
すべていらんだすから、
明るくて、
暖かいところに戻してくれだすよ!
それだけだす」
かおむは最後の力を振り絞って、
カミサンに謝罪し、そして祈った。
「カミサン、カミサン、カミサン。
もう許してくれだす。
とにかく、
明るくて、
暖かいところに戻してくれだすよ!
それだけだす」
かおむは凍えそうになりながらも必死に祈った。
そして、
かおむが意識を失いそうになりかけたとき、
急に周りが明るくなった。
「ねえ、すごーく綺麗でしょう!」
眩しさで目がくらんでいる、
かおむは、
また、変な奇声を聞いた。
かおむの目が明るさに慣れると、
すっかり寒さは消えていたが、
今度は、
目の前には化け物がたくさんいて、
いろんな奇声をたくさんあげていた。
「カミサン、カミサン、カミサン。
あー、もうひとつだけお願いだす。
この化け物と
奇声を消したくれだすよ。
もうこれだけだす。
僕のお願いは」
かおむはカミサンにそう祈った。