「叫ぶかおむ」
「僕はここにいるだすよー」
かおむは何度も何度も大声を出した。
究極の美は何か?
究極の美を求めるものに対し、
邪心が消えたとき、
カミサンは、
究極の美を与えるのであろうか?
「僕が悪かっただすよ。
誰か助けてくれだすよ」
かおむは今度はそう大声をあげた。
「助けてくれだすよ。
もう悪いことはしないだすよ」
かおむは、
今度はそう大声をあげたが、
その瞬間はっとした。
かおむはどこかで同じ言葉を吐いたことに
そのとき、
気づいたのだった。
あのときは...
かおむは思い出そうとした。
そして、
「助けてくれだすよ。
もう悪いことはしないだすよ」
とまた大声を出した。
「助けてくれだすよ。
もう悪いことはしないだすよ」
かおむは、
また大声出して助けを求めた。
完全体は、
その本人が満足して初めて完成する。
故に、
はたから見ていくら素晴らしくても、
本人が満足していなければ、
不完全体のままである。
かおむは、あの言葉を思い出し、
また、
「助けてくれだすよ。
もう悪いことはしないだすよ。
今度こそ本当だすよ!
僕はもう満足したんだす。
本当だすよ」
と叫んだ。
「僕はもう満足したんだす。
これで充分だすから助けてくれだすよ!」
かおむは何かに祈るように大声をあげた。