31/62
「目覚めと呼び声」
かおむは例の島で目を覚ました。
既に日は暮れていた。
かおむがふと空の方を見上げると、
きれいな星空が見えた。
「かおくーん」
かおむが綺麗な星空に魅入っていると、
どこかで聞いた声がした。
「かおくーん」
かおむはその声を訊いたとたん、
頭がくらくらしてきた。
「かおくーん」
「かおくーん」
「かおくーん」
「かおくーん」
「かおくーん」
かおむはまた別の声で目覚めた。
「かおくーん」
「かおくーん」
「かおくーん」
「かおくーん」
「かおくーん」
声はどこかでしているが、
かおむにはその声の主の姿が見えなかった。
「かおくーん」
「かおくーん」
「かおくーん」
「かおくーん」
かおむはその声を何度も聞いているうちに、
何かを思いだしかけた。
「かおくーん、どこに隠れているの」