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「合体」
しかし、
目の前の生き物は、
「なーに?
今?
あたしがなんだってー?」
と、
同じ声の調子で。
そうかおむに訊き返した。
その声があまりにも冷静で、
いかにも予想していたかのようで、
しかも、
目の前の生き物に動揺した様子は
まったくなかったので、
かえってかおむは怖くなった。
そこで、
思わず、
かおむは、
「冗談だすよ。
凄く綺麗だすよ」と言ってしまった。
すると、
目の前の生き物は、
「そう!
あたし、やっぱりキレイなの!
じゃあ、かおくーん、
かおちゃーん、
結婚してー」
と言って、
かおむにいきなり抱きついてきた。
目の前の生き物は凄く冷たかった。
「かおくーん」
その声を最後に、
かおむの意識は
だんだんと薄れていった。