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「声と目覚め」
かおむはふと周りを見た。
しかし、変わりはなく、
そして、誰もいなかった。
「だめだすよ」
かおむは呟く。
すると、
「あきらめないで!
カミサン、カミサン、カミサン」
また、女の声がする。
かおむは見えない女に向かって、
話しかける。
「うーん、無理だすよ」
「ダメ!
もう一回だけでいいから」
「わかっただすよ。
カミサン、カミサン、カミサン」
かおむはまた復唱した。
「かおくーん。
かおちゃーん!
かお!
かおむ!
起きなさい!」
かおむは誰かに起こされた。
「うーん...」
かおむがそっと目を開けると、
そこには見たこともない...