「キレイになりたい」
あれ以来、
「あたし、
あの子みたいにもっとキレイになれないかなあ?」
まるで、
アリハの邪心が乗り移っていたかのように、
もとえは毎日のように
そういう言葉を吐くようになった。
かおむはうんざりしていたが、
もとえはアリハより賢かった。
だから、
彼女は、
いつのまにか、
キレイになる方法を見つけてしまったのだった。
もとえはアリハとは違った。
かおむにこれ以上キレイになりたい
と愚痴をこぼすのをやめた。
それは、
キレイになる方法を見つけたとき、
何故、
不治だと言われていた自分の病気が治ったのか、
その理由がわかったからだった。
もとえは、
かおむに内緒でターゲットを探していた。
そして、
もとえは、
ついにターゲットを見つけた。
もとえがテレビで見たタレントより、
美しく、
そして若い、
まだ15,6歳くらいの美少女だった。
問題は、
この後、
どうやってかおむに自分のとき
と同じことをやらせるかだった。
もとえは考えた。
まず、
その少女をかおむに会わせようと、
そして、
これからは、
かおむがうざいと思うくらいにしつこく、
キレイになりたいと言おうと。