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「儀式と奇跡」
「あら、ごめんなさい。
なんか急に眠くなちゃって」
もとえは目覚めた。
「綺麗な寝顔だっただすよ」
「綺麗?」
かおむの言葉にもとえは頬を少し赤く染めて笑った。
「さあ、
これから病院に戻って検査を受けてみるだすよ」
「検査?」
「そうだすよ」
かおむは笑ってみせる。
「でも、いくらなんでも、
居眠りしただけで、あの病気が...」
「わからないだすよ」
かおむは笑った。
「だす語さーーん、奇跡が起きたみたいです。
この心臓が治ったんです。
私が寝ている間に何があったんですかあ」
検査の結果を聞いてきた、
もとえが嬉しそうにかおむに抱きついた。
「秘密だすよ。
よかっただすな。
これで満足だすよなあ」
かおむは嬉しそうに笑った。