方向音痴でせっかちな私
ふと空を見上げる。今日も天気は快晴で中々にいい天気だ。季節はちょうど夏真っ只中。絶賛太陽さんが活躍中。当たり前だが暑くて身体が溶けそうだ。
私は公園のベンチに座りながらアイスを食べていた。周りには子供たちが遊具で元気に遊んでいたりする。まあ、元気なもんだ。
そこそこに広い敷地だから子供たちが遊ぶには持ってこいの場所なんだろうなと私は推測する
アイスを食べながらふと考える。今日は何をして暇をつぶそうかと
スケジュールそのいち
そのへんの公園を全部回ってみる。
これはお金がかからずなおかつ散歩をする事になるから身体にもいい、うん。実にいい
だが問題は結構歩くことになり夏の暑さに負けてしまう恐れがある。うん。却下。
スケジュールそのに
ひたすらアイスを食べて身体を冷やし暑さにまけない身体になる。うむ、素晴らしいアイデアだ。
欠点はお腹を壊してしまうぐらいか、うん却下
ならばスケジュールそのさん
私はかなりの長髪なのだがそれを全部切るのはどうだろうか?ちなみに後ろの髪は腰ぐらいまである。
スキンヘッドになることで頭が軽くなりそして頭に直接太陽光ががががが
ダメじゃん、わたしの脳が焼ききれるよ
仕方ない最後の手段スケジュールそのよん
家にダッシュで帰り一刻もはやくクーラーのある部屋に退避するに限るこれは完璧だ
なにひとつ欠点がない、そうとわかればクラウチングスタートからのダッシュだ。
私は公園をひたすら走った。それはとてつもなく走った。周りの人からはものすごい目でみられた気がするがきにしない。
何故ならばクーラーが私を呼んでいるからだ。髪がえらい勢いでなびこうが、汗が滝のように流れようが、全く気にしない。
私は風になるのだ。家まではおよそ10分ぐらいと言うところだろう。さっきまでの公園を出で
あとはひたすら住宅街を抜けれの家はあと少しだ。頑張れ私。負けるな私。
といきこんでいるとふと忘れていた事を思いだしてしまった。
確か私は公園で人を待っていたような気がする
あまりにその人が来ないから忘れてはいたがまあ、わたしの友人なんだけどね
これはまずい、いや、しかしまあ大丈夫だろう。
きっと笑って許してくれるさ、
何故ならば私の友人は心が広いからね。
多少の事は大丈夫だ。問題ない。
するとズボンのポケットから音がなる。
私は仕方なく走るのを止めズボンからスマホをとりだし電話に出た。
「ただいま、電話に出れませんご用件があればあとで伺います」
「今、公園に着いたけど、どこにいるの?」
と友人は言う
「あー私は今公園にはいない。そして君の家の前にいる」
「なんで?僕の家の前にいるのさ?公園で待ち合わせって言ってたよね?」
私は慌てて弁解する
「なーに公園で待ってたら暇すぎて気がついたら君の家に行きたくなってね」
本当は自分の家に行こうとしたけど間違えて友人の家まで来てしまった事は伏せておこう
「まあ、仕方ないね。遅れた僕も悪かったし、じゃあ僕も自分の家に向かうよ」
「そうか、なら仕方ないから私も君の家で待っているよ。仕方なくね」
「本当にきみはせっかちだよね。待ち合わせ時間は一分しか過ぎてないのにもう帰るなんて」
「当たり前だ、時間は大切だからな、一分一秒とも無駄にできないさたとえ友人の君との時間だろうとね」
「うーん。そうなんだけど結局僕の家に行くなら公園から一緒に歩きたかったかな」
私は少し動揺して答えた。
「そうか、そんなに私と一緒にいたかったのか?まあ、私はかわいいし、美少女だからわからんでもないが」
「そうだね。かわいいし、美少女だし、笑顔が素敵だし、なにより一緒にいて面白いと思うよ」
「まあ当たり前だな、君も格好よくて、優しくて、なによりいい友人だと思うよって何を言わせんじゃい!カットしてさっきのセリフ」
「ははは、ありがとう。ばっちり録音したから大丈夫。夜寝る前に毎日再生するね?」
「いや、それは頼むから止めてくれ、今度いくらでも声ぐらいなら聞かせるからけど録音はなしだぞ?」
「冗談だよ。まあそれで手をうとうか楽しみだね家でまったりデート」
「いや、デートではないただ家でまったり遊ぶだけだからな。きみはわたしの友人であって恋人ではないのだから」
「まあ今は友人としておこうか、じゃあ家に向かうから電話切るね。また家で」
ふむ。私はスマホをズボンにしまい友人の家の前でふと考える。
あいつは相変わらず生意気なやつだな、私に向かってかわいいだの、美少女だの声が好きだのやら会うたびに言われている気がする。
まあ、悪い気はしないけどこちとら付き合う気は全くない、ただ友人として一緒にいたいのは確かだ。恋人になれば楽しいかもしれないけれど
今はまだ友人でいたい。できるならずっと一緒にいたいからだ。などと
考えていると友人がどうやら自分の家もうすぐつくと言う連絡がきた
私はスマホを見ながら自然と笑顔になっていた
あいつと一緒なら友達だろうが恋人になろうが別に構わないのだけどもう少しだけ友人でいるとしよう。何故ならば友達なら別れる事はないし、なにより居心地がいい、そんな事を思いながらスマホをズボンにしまったのだった。