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4.上空

上空で無事に身柄は引き渡されるのか……。


フライトは順調で、EEZ上空を抜け、中国の領空に入ったところで、中国警察の鄭刑事と手錠を交代することとなった。竹内課長が時間を確認し、鍵を取り出した。一応、警護課の連中が周りを固め、不測の事態に備えた。警護課の連中はオートマチック銃を装備している。リボルバーのM37やSAKURAでは不意の揺れで落としたりした時に暴発の恐れがあるからだ。

「あと30秒で、レイモンドの身柄を当局側に引き渡します」

 腰に手を添えたままの警護課に囲まれ、鸞は竹内に向かって手を差し出した。

「警視、お願いします」

「残念だな、折角レディと結ばれていたのに」

「黙りなさい、レイモンド・タン」

 竹内の叱責など何処吹く風といった様子で、レイモンドは相変わらず熱っぽく鸞の横顔を見つめていた。鸞は、そんな視線には構わず、毛を逆立てる猫のように警戒し、自分の手首から手錠が外れる瞬間を待っていた。

「外します」

 手錠に鍵を差し込んで鸞の右手首に嵌めていた片方だけを解放し、鍵をもう1人の趙刑事に渡した時だった。

 鍵を受け取った趙が肘で竹内の喉元を打ち、不意を突かれて引っ繰り返ったところを腰から抜いたセミオートのワルサーPPKで左肩を撃ち抜き、鄭に鍵を手渡そうとした。

「竹内警視! 」

 鸞は咄嗟に鄭に頭突きを食らわせてそれを横取りして口に入れ、再び手錠を自分の右手首に嵌めた。

「逃すか! 」

 レイモンドの手を引き寄せて座席の足元に転がし、その上に押さえつけるように覆い被さった途端、中国人刑事2人は警告もなしに警護課の3人を撃ち抜いた。警告なしに撃つことのできない日本人の気質を嘲笑うかのように、何の躊躇もなく彼らは撃ち抜いた。

護送団、全員負傷!! 機内にいるのは敵か、味方か?! 孤立無援の鸞、どうする?!

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