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ある時のあたたかさを感じず
もももは何処へ。『ももも』は何処へ。
『も』だけでは収まらないのが『ももも』。
口は『も(mo)』の形で、ぱくぱくと『も』を続けている。
大窓から照らされた木の床が暖かい。
照らされたわたしの身体も表面は暖かい。けど、何故か暖かな光は皮膚の奥へは届かない。そんなことをきっと肌で感じながら、『も』を続けている。
いくらか時間が経った。多分そうだと思う。まだ日は暖かく床を照らしている。わたしの家は温室だ。日が少し傾いても当分部屋は暖かいだろう。
身体がなんだか重たいな。わたしは横にある毛布に手を伸ばし、布団の上に寝転んだ。
左耳を布団につければ外気の音がする。
「ぉーん。ぉーん。」
と風がワイヤーにあたる音がする。
右耳を布団につければ体内の音がする。そうして体内の音を聞いていると、いつの間にかまた
「も……も……も…………」
と『ももも』が聞こえてくる。脳内に響いてくる。
またもももを聞いていると身体がどんどんと重くなる。身体の半分が布団に沈んで、もももがどんどん大きくなり、やがてわたしは目を開けることすらできなくなった。




