能力《エヴィリア》
超能力って、知ってる?
石っころを飛ばしたり、頭に語り掛けたり。
何なら時空を捻じ曲げたり。
とにかく、何でもできるんだ。
《能力》の内の一種だよ。
《能力》には、たくさんの種類があるんだ。
《超能力》《正義の力》《亡者の力》、様々だ。
ホント、《能力》って怖いトコロがあるよね。
誰にだってあるものじゃないよ?
選ばれた者が、強い《能力》を手に入れる。
選ばれなかった者は、土の味を噛みしめる。
トレーニングして手に入れるようなものとは違うんだ・・・固有名詞と考えてみてよ。
弱肉強食、運で掴むのが、《能力》だから。
ええっと、キミ達の世界に、それは無かった・・・よね?
もし、運だけじゃなく、強さで《能力》を掴む世界があったとしたら、どうするかな?
―――小さな精霊の眼前に、銀河を纏ったようなスクリーンが現れる。
ほら!
見てごらんよ?
―――スクリーンに映し出されるのは、人々が武器を持ち、強さで争う・・・殺風景な荒野だ。
辺りには閃光や粉塵が飛び交い、剣や光が交差する。
ちょっと目を塞ぎたいかもね、ふふ。
これが、己の強さだけで争う世界、そして《能力》を掴める世界だ。
―――その中にただ二人、異質なオーラを身に纏う者が。
一人は、亀の甲羅のような鎧を着込み、二匹の精霊を連れている。
手に持つのは、先を三つに分けた、禍々しい槍だ。
《能力》って、技能なんかの「のうりょく」という読み方にするとややこしいかもね。
《エヴィリア》、なんてどうかな?
―――そして、もう一人。
《魔王》と例えるべき、黒のオーラを持つその男と対峙するのは、少年だった。
福音、エヴァンゲリオンから取ってみたけど、どうだろう。
この神ネーミングセンス、惚れてもいいよ?
なんちゃってね。
―――少年は《魔王》の一突きを軽快なステップで避けると、笑いながら右手に左手をかざす。
腕を十字に組むようなポーズを取る。そこには、時計が巻かれていた。
《能力》が欲しいなら!
ひとつ、この世界にばら撒かれた《ストーン》を集める!
それだけ!
ここに映ってるように、人間同士の奪い合いがあったり、オピカスとかいう奴が、《ウォッチ》とかいう《ストーン》の増幅装置を作ったりしてるけど、基本は宝探しと同じだよ。
《ストーン》ってのは、《能力》の込められた石さ。
奪い合いなら、形あるものの方がいいかなって、てへ。
―――少年が《ウォッチ》に触れると、たちまち周りが緑一色に染められる。
彼が、何か叫ぶ。
すると、緑色の雲は剣のように収縮していき、たくさんのそれが少年を取り囲む形になった。
さあ、行くんだ。
《能力》を掴む者に幸あれ!
―――深緑の剣が―斉に、《魔王》へと放たれた。
しかし、《魔王》は防御の姿勢をとらず、
強烈な蹴りでスピードを得ると、少年へ突進していった。
お互い死を覚悟し、最後の攻撃を敢行する―――
―――勝敗がつくかつかないか、その佳境でスクリーンが途切れた。
お送りしたのは、
ーgyifasgfpi:g;aーこと、エヴァでした!
ボクを楽しませてねー、ははは。
ノイズが入り、情景もうっすら途切れていった・・・。
どうもこんにちは、人によってはこんばんは・・・じゃあ、ごきげんよう!
白州ダイチです。
今回は、この「サイキック・ヒーロー」の執筆をしてみた所でございます。
「サイキック・ヒーロー」は、もう5、6年も構想を重ねた、自分の一番書きたかった作品です。
初めはイラストを描いたり、ちょっとしたキャラの紹介文を書く程のものでした。
頭の中で綴った物語といった感じです。
マンガでもいいかな、と思っていたのですが、当時の未熟な自分では絵が描けず、迷走しておりました。
そこに現れたのが「ライトノベル」というジャンル、そして「なろう」様でした。
元々の構想が異世界転生ものであったことで、これはいいじゃないかと思い、執筆に入りました。
お恥ずかしい話ではありますが、自分はこの作品を10回ほど書き、また消しています。
それほどに思い入れが強い作品、と思って読んでいただければ幸いです。
それでは、次の物語の執筆に入っていきます。
「サイキック・ヒーロー」をどうぞ、よろしくお願い致します!
投稿は遅めとなります、ご了承下さい。