収穫祭1
ブドウの色が赤くなり 拠点に香りが漂うようになったころ・・・。
マスルス「結婚しただと、めでたい!その者とは誰なのだ!」
???「それが 人間だ! 人間だよ!女神は人間と結婚したんだ。しかも子供もいる!」
マスルス「バカな!騙されているに決まっている。おのれ~!! 人間め!」
マスルスは 下界へ飛び出していった。
???「場所も聞かずに。。あーあ。面白い。ふふふふ」
・・・・・・
俺たちは 収穫祭の準備を始めている。
女神様は、ああ、俺の嫁さんとの生活はイチャイチャ、ラブラブの新婚生活でいい感じだよ。
女ってさ、女って人を好きになると、、変わるんだね!!
だけど 残念なことに白紙の紙の力で急に呼び出してたから、公務のために神界に今は戻っている。
まあ 最初はね。 神界と下界を行ったり来たりすればいいのさ~。少しずつ慣れればいい。
大丈夫さー、だって俺は女神を信じてるから。
・・・・・
マリア「トシユキさん お客さんが来ているようですよ」
「お客さん? 異世界に知り合いなんていたかな??」
彼女の名前はマリア。
今は 毛皮を着ているけど 教会の教えに疑問を持って、旅をしていた修道女らしい。
本物の神様のお世話をお願いしたら 二つ返事で引き受けてくれた。
「本当の教えを見つけたい」
本当の教えを見つけることがマリアの目的らしいが
エレナの匂いをクンクンかいで「癒される~可愛い」とか言ってたから
子供が好きな人なのかもしれない。
外から声がしてきた。
「トシユキくん! トシユキく~ん!! うがははぁ!!」
窓からこっそり外をのぞいた。
引き締まった筋肉を持った強面の魔物が沢山いる。
「マリア まずいぞ! モンスターだ」
「ドシャー、でも、名前 呼ばれてますよ」
「トシユキ 呼んでるよ~ はーい」
エレナが 駆け出して行ってしまった。。。。
「お待ちください エレナ様」
待ってくれ!エレナ!!
エレナは 無邪気に駆け出していく、お手伝いのつもりなのか?
外には 凶悪モンスターがいるんだぞ!
そんな 気持ちも届かないままエレナは 小屋の外へ出て行ってしまった。
「ガハハハッ」
「ガハハはぁ~ッ!」
モンスターは エレナを肩に乗せて一緒に笑い始めた。
その・・ 角笛はもしかして!!
それは オシャレゴブリンだった。
しばらくぶりに会ったけど、レベルアップをしたのか ごつくなっている。
今日から 収穫祭を手伝ってくれるようだ。
・・・・
ゴブリンたちを復活させた日、塔では本と魔石を見つけ、
ゴブリンたちからは いろいろなものをもらったけど、
どこかで拾った魔石の入った袋があった。
あの塔は実は ずっと昔に、こちらに転移してきた俺と同じ転移者が、
白紙の紙で建てたもので、それで魔女の帽子の形だったらしい。
本は彼女の日記で 異世界生活について書かれていた。
彼女は塔に「恩恵」と呼ばれる効果を付けていたらしく、
1階~2階にゴブリンを飼って、食料やアイテムなどを運んできてもらうという、
悠々自適な生活を送っていたらしい。
川を上流へ向かえば べーレ国という小さな国があるらしく
船さえ ちゃんと造ってしまえば運河は広いのでモンスターに襲われることなく
べーレ国へ 行くことができるらしい。
ゴブリンたちからもらった魔石の袋には人間の魔石が入っていて
マリアも復活させた一人なんだけど、他にも数人復活させることが出来た。でも 召喚アイテムとして「鉄の剣」や「布の服」などは 街へ行かないと手に入りそうにない。
「じゃぁ やりますか!おー!!」
「おー!!
」
収穫祭の準備がスタートした。
「いいよ 思いっきり踏んでごらん」
「うん」
まずは 葡萄酒づくりだ。
樽に入れたブドウを エレナが踏みつける。
スカートの裾を持ち上げて 大股で足踏みを始めた。
「うわぁ~ なにこれ~ !」
「ベチャ ベチャ ベチャ!」
小さな足なので ブドウは全然つぶれない。
足の裏は 紫色に染まっていた。
「そーれ!そーれ! エレナ様 お上手です。パチパチ」
「キャッキャッキャ」
「ベチャ ベチャ ベチャ・・・・」
マリアは 大股になって足を踏ん張り。
右手・左手と交互にコブシを上に突き出しながら
エレナの足踏みの音頭をとっている。
楽しそうだ。縁起担ぎなので 頑張ってくれ。
俺たちは 土魔法で作った容器に入れて ブドウを絞り出す。
そして ゴブリンたちが用意してくれた木製の樽に詰めていく。
「ウシャシャ」
ゴブリンは 陽気な連中のようで たまに
樽の中に小さいゴブリンが入っている。
「おーっ 何で入ってるの?」
「ガハハハッ」
地球から持ってきたもち米の種も 数か月でどんどん育つので
収穫するのはこれで何回目だろう? そろそろ食べても大丈夫な量になってきた。
今回は復活してくれた人たちも手伝ってくれるので仕事が早い。
「私の魔法を応用できないかしら??」
マイク「召喚主様よ。これはどこへ持って行ったらいい?」
「ああ それは・・・・。」
どんどん 収穫できた。
「わしは 年なので参加できなくてすまんのう~」
白いひげを蓄えた年配の方が 仕事に参加できずに 困っているようだった。
「いえいえ 休んでいてください」
「じゃが みんなに借りができてしまうようで気が引けるわい。
ところで この村は魔物や動物ばかりのようじゃが なぜ 生活できておるのじゃ?」
「それはですね。動物や魔物たちが、自分たちの生活をしながら得意なことを
発揮してくれているからなんです。生活レベルの問題はあるかもしれませんけど
欲張らなければ快適ですよ。
だから 借りとかあまり気にしないでください。みんな、できる範囲で頑張ればいいんですよ」
トシユキは 少し自慢げに話をした。
「面白いやり方で村を動かしておるな。
わしが小さいころ住んでいた村も、そんな感じの村じゃったよ
水浴びも 男も女も一緒に浴びておった」
「それは いい村ですね。詳しく聞かせてください」
みんなの力が合わさって、
初めての収穫祭が、まさに実ろうとしていた。。
「ほう ついに見つけたぞ、これがトシユキか」