草原の魔王と魔王の祖先4
城の潜入方法だけど 地上には軍用犬もいるし人目も多い、
だから 時々外には出ることになるだろうけど
水路を通って城の近くまで行くほうがいいだろう。
水路のトンネルは広いけど、人が一人歩ける幅しかなく通路は狭い。
滑ったりしそうな湿り気があった。
「キャ! 虫よ」
ゴキブリのような虫が時々 俺たちの靴の音に怯えて走り去っていく、
暗い洞窟のようなトンネルなので虫が走り出すまで気づけないのだ。
しかし 明かりと言えば火魔法がある。
土魔法で作ったマグカップのようなカップに火魔法を入れて持ち歩くと
キラキラと明るかった。
手をつないで後ろを歩いているミーフとハーバーを 時々気遣いながら
ゆっくり と進んでいった。
「ハーパー 虫は私が退治するわ」
途中で 道が二つに分かれている。
「城の方角はあっていると思うが どうする?二手に分かれるか?」
お城のほうへ続いているとは思うけど 行き止まりもあるかもしれない。
メテオストライクの事も心配だしダンジョンマッピングをする感覚で進むのもまずいな。
よし あれを使うか。
道具袋から魔石を取り出してフェレットを召喚した。
「頼んだぞ フェレットたち」
「クックック クックック」
この世界の動物は 自分の体形や体質にあった魔法を即座に使うことが出来るようだ。
フェレットたちは 目をビー玉のように輝かせ、暗いトンネルをかけて行った。
数分後 片方の道に進んだフェレットが戻ってきた。
やっぱり 行き止まりになっているようだ。
「よし こっちに進もう」
真っ白なフェレットが先導をしてくれるのでさっきよりも 歩きやすくなったぞ。
「クックック クックック」
俺たちは グングン進んでいく。
そして 分かれ道に差し掛かってもフェレットたちが道案内をしてくれた。
明かりが見えた。出口か?
奥のトンネルから声が聞こえる。
兵士だろうか?
水路のトンネルを 進んでいってもそのまま城の近くまで行けなくて
トンネルには切れ目があるので そこで見つかってしまう可能性がある。
「ヴォブブブ! ぎゃははは」
「マジかよ! はえー」
「ブシャー!! ヴォォォォンン」
最初、兵士かと思ったが セリフがおかしい、はしゃいでいるように聞こえた。
外の水路で何かやっているのか?
明かりが見えてくると キックボードのような板の船を使って遊んでいる人たちがいた。
ここは水路のトンネルの入り口が5本ほどあって 円形のプールのような場所になっている。
おそらく あの一番太い水路が運河まで続いているのだろう。
ベーレ国で開発された新型の蒸気船に使われている、火魔法と水魔法を使った船は
若者たちに 熱い熱気を与えていてレースのようなことが流行っていた。
ここの人たちが遊んでいるのはキックボードのような板の底から
風魔法を噴射して進むというポピュラーなものだけど
レースのようなことをして楽しんでいた。
「こんにちは! 面白いところから出てきましたね」
トンネルを抜けた俺たちに、近くにいた人たちが話しかけてきた。
スポーツが好きそうな若い人たちだ。
「俺たち水路伝えに お城を目指してみたくてよ。ずっと歩いてきたんだ。
でも 道がわからなくなっちまってよ。なあ 知ってたらどっちの方向かだけでも教えてくれないか?」
マイクが説明をしてくれた。
でも 魔王とかメテオストライクの話は伏せて説明する必要があったので
正直に話すことはできなかった。
「水路を歩いてお城を目指すなんて、面白そうですね。
お城に行く水路ならアレですよ!
でも 残念ながら水路を歩いていくのは無理ですね。
この先は通路もないし 水路もアップダウンしているところがありますから
まあ オレたちみたいな船じゃないとな」
「俺のバブルボードなら簡単に行けますけどね。城壁まで行ったことがありますよ」
自慢気に自分の船をかざして見せた。
構造的には簡単なものなのだがバブルの噴射口などは
こだわって作りこんであると素人目にもわかる。
ハーパーも うなずきながら見ていた。
歩いて進めるのはここまでのようだ。
城まではまだ 距離はありそうだけど 屋根や狭い通路を利用しながら
迂回してうまく進んでみようか?時間がかかりそうだけど。
「ガラン♪ ガラン♪」
クーダ教会の鐘の音がする。
祈りがささげられ、はるか上空にある隕石がまた大きくなっていく。
そして草原にメテオストライクが落ちるかもしれなかった。
「ああ 鐘が鳴ってる。早く祈らないと兵士に見つかったら怒られますよ」
彼らは祈りを始めてしまった。
すると 小さな土の玉が出来て、それが空へと上がっていった・・っと
思ったら ミーフが土の玉を一つキャッチした。
「やったわ!」
しかし 空を見上げると空から降る雪のように土の玉が逆に空へ上がっていった。
「でも このメテオストライクのせいで 泥ボコりが水路に入って水が濁るものだから、
洋服や船が汚れちゃうんですよね。はぁ 早く終わらないかな メテオ計画」
この人たちは 魔王が攻めてくるかもしれないのに意外と平常運航のようだ。
・・・・
「まだ 見つからんのか?」
「はい 軍用犬も放っているのですが見つかりません。城下町を離れて逃げたのではないでしょうか?」
大臣は 考え込んでいた。
潜伏しているのか? 街を出たとしたら仲間を避難させるために草原に戻ったか?
でも そんな 腰抜けが悪魔を倒せるだろうか?
しかも 運河には警備船が待機しているので騒動になるはずだ。。。
違うな。。ヤツは城に潜入しようとしている。
私に会いたいのだ!!私のことが好きなのだ!
「街から兵士を戻せ。 城の周りを徹底的に調べろ」
「はい 仰せのままに」
兵士は 怖い大臣の元から駆け足で去っていった。
もうすぐ、メテオストライクは草原に落ちる。
今日かもしれないし 明日かもしれない。。
「正面突破でも何でもいいから、全力で会いに来なかったら、私 あなたの事、嫌いになっちゃうわよ。
あなたの事は、大きらいなんだけど。、うふふ」
・・・・
「このエアーボードって いいじゃない!」
「面白れぇ 乗り物だな」
俺たちはエアーボードを使って 水路を進んだ。
エアーボードはハーパーが造ってくれた。
それほど難しい構造ではないけど 俺だったら 一船作るのに1日かかるかもしれない。
でもハーパーはパパっと4船も造ってしまった。
ハープを作るよりも簡単よ、がははは。と言っていたけど パイプ状の部分とかどうやって造ったんだ。
わからないけど、ドワーフさまさまだった。




