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草原の魔王と魔王の祖先3

「コンコン コンコン。、、これくらいかしら」


ハーパーは 土魔法で弓のような形の棒を作ると道具袋から金属製の絃を取り出して

たちまち楽器を作ってしまった。


「ジャラン♪ ジャラン♪」

「一曲くらい、いいじゃない」

火魔法の焚火の明かりに照らされながら、ハーパーの演奏が始まった。

今回のハープは縄文土器の素焼きの粘土のような、そんな形と質感のハープで

柔らかみのある音色が奏でられている。

しばらくするとミーフが歌を歌い始めた。


「踊る塔の魔女♪、ルルル、集いし魔力は星の光♪」

 

「パチパチ パチ」


俺たちは拍手をした。

ウサギのピョンチも うなづきながら音色に浸っているようだった。


「実は草原の近くにも 魔女の帽子の塔があるんだ」


マイクからすでに聞いているかもしれないけど 草原から少し離れた森にも

魔女の帽子の形をした塔があって そこにはゴブリンが住んでいる。

踊りが得意な連中なので 二人の演奏で 踊らせたらきっと盛り上がりそうだ。


「お屋敷の仕事も見つかって 落ち着いたら行こうって二人で話していた矢先に

こんなことになるなんて、でも トシユキやマイクに会えてよかったけど、がははは」


この世界では 手から粘土を出して建物を作っていくので

魔女の帽子以外にも色々な形の建物があるらしい。

まあ 草原の塔は特殊な力で建てられたものなんだけど。

でも 歌のネタを集めるために変わった形の建物を回るのが好きらしいので

この件が終わったら 遊びに行きたいと言っていた。

なんか この二人は吟遊詩人のほうが向いているな・・。

でも 俺も 商売よりも野菜や葡萄酒を造るほうが好きなので人のことは言えないけど。



「マイクさん。トシユキさん。さっきはありがとう・・。」


ミーフに大臣に濡れ衣を着せられたことや、悪い貴族にセクハラを受けていた話などを聞いた。

そして セクハラを受けながらもメテオストライク計画の事も少しだけ聞いてくれていたらしい。


沢山の魔導士がお城に集められた。

メテオストライクを作り出すスクロールを模写した石板があるらしく

鐘の音に合わせて 祈りがささげられ、隕石は少しずつ造っているらしい。



「石板を破壊しましょう! そのほうが手っ取り早いわ!」


ミーフはクールに バシ!と言い放った。

つられて なびいた髪がオレンジ色の光を吸って光っていた。


「ただ 城に行くのは俺一人でいい。みんなは逃げてくれ。」


だけど 行くのは俺一人でいい。

お城に潜入して 大臣とか貴族とかを片っ端から調べていけば 石板も見つかるし破壊できる。

ついでにお城も掃除して 王様や王族派の貴族たちも安全に帰ってくることが出来るようにしてやろう。


草原の事は心配だけど・・。 

メテオストライクがいつ落とされるかもわからない中で

知らせに行ってもらうのも危険すぎる。だから 逃げてくれ。


しかし マイクが口を開いた。


「トシユキ お前よぉー。

俺はお前のそばにずっと居た、ずっとお前を見てきた。

だから言わせてくれ、みんなのことまで お前一人で背負い込むんじゃねぇ!!」


マイクはトシユキに殴りかかってきた。

何発も何発も殴るけど トシユキには全く効かない。

むしろ 殴っているマイクの顔のほうがゆがみ始めて辛そうだ。

そして ゆがんだ顔からは、とうとう涙が流れた。

こぶしの速度も ゆっくりになっていく。

それでも マイクは止めない。

効くはずがないのに。 届くはずのないのに意地なのか?

諦めることが出来ない。


届け! 届け!こぶしに乗せたこの想い・・・だけど 届かない。


マイクはとうとう 崩れこんで力尽きた。

「なあ 俺たちはここにいるんだ、だから 俺たちを頼ってくれないか・・。」

そう言うと、ぐったりとしてしまった。


トシユキは 崩れたマイクを見下ろしていると・・

「バシン!!!!」


「うがぁ。。」


腹を抱えて後づさりした。

ウサギのピョンチが出てきて 重みのある蹴りを放ったのだった。


エルフとドワーフの二人は 口に手を上げて目を丸くしてこちらを見ている。

「痛ててぇ・・ ピョンチ お前は昔から容赦がないな。マイク。。俺が悪かったよ。

なんか 殴られ過ぎてすっきりしたわ。あははは」


「わかりゃ いいんだ。あははは」


「がははは 二人とも見た目とセリフが逆よ」

「力を合わせて、石板を壊しに行きましょう!!」





俺は その夜 ピョンチに呼び出された。

水路の中の少し離れた場所だ。

「どうしたんだ ピョンチ? さっきの蹴りで可愛い洋服が破れちゃってるな」


ピョンチの意識が俺の中に流れ込んでくる。

圧力のある意識に俺はピョンチに 強制的に集中させられた。

何をする気なんだ??


ピョンチは 二本足で立ちあがると力を溜め始めた。

「エナジーか? すごいじゃないか」

ピョンチは動物なのに 魔物の使うエナジーをマスターしているようだ。


しかし ピョンチからは 俺を鼻で笑うような雰囲気が伝わってくる。


次に全身にまとっているオーラが 足に集まっていく。

「ドカン!!! ゴロゴロゴロゴロ・・!!」


強烈な 蹴りを放ち。壁に大きな穴をあけてしまった。



そして 鑑定リングからメッセージが出てきた。

「獣王拳(エナジー2)を獲得しました」


「ありがとう ピョンチ」

しゃがんでピョンチにお礼を言うと ピョンチは俺の顔にモフモフを押し当ててきた。

ピョンチのモフモフは柔らかかった・・。



・・・・


「何? 兵士が無傷で気絶していたというのか?」

「はい」


「そんなことが出来るのは 一人だけだな。

逆に私に会いたいのかしら?大っ嫌いな、男のはずなのに・・。

うぅ~~ーーーん、失恋したばっかりだから、ゾクソクする。ククク。


イヤ なんでもない。

よしいいか!

ヤツはベーレ国に潜入している。

城を閉鎖し、警備を厳重にしろ!」


・・・・


「昨日は 地震が起きたみたいね。ドカン!って突き上げるような音がしたわ」

「ああ トンネルが崩れたりしないか気になったぜ」




トシユキたちは トンネルを進んでお城の近くまで行くことにした。

「薄暗いし 迷路のようだ・・」

マイクの声に トシユキは道具袋から魔石を二つ取り出した。

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