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真っ赤な葡萄酒5

・・・・

大臣の部屋では。

大臣と貴族二人とが話をしていた。


「大臣様 これをお納めください。黄金色のパンでございます」

「おお これは美味しそうな黄金色のパンだ!がははは

よし お前、 俺はお前が好きだ! お前に力を貸してやる」


大臣は 貴族の肩に手をやって トン! と叩いた。

貴族は  ブルっと震えたが無理やり笑顔を作って大臣と話した。

今まで トシユキが品評会で不利になるように働きかけたり 悪い噂を流したり、

トシユキが使っている船に穴をあけたり、いろいろやってみた。

だから 今回の品評会ではアイツが優勝することはないだろう。

あとは アイツに一泡吹かせてやれればいいのだが 貴族でもないアイツは

これ以上、没落することはない、だから 社会的に消えてもらうことにした。


「はぁ? はい ありがたき幸せにございます。では 計画が整いしだい、兵をお貸しください。

それも 要らない兵を貸していただきたいのです」



「要らない兵か。そんなことでいいのか? 任せておけ、ところで 奴は今何をしておるのだ?」



「はい 草原にスラム街の者を集めて綿花から布を作っております。

しかし 布は外国よりの安価なものの流通により廃れた産業にございます、 ご安心くださいませ」



「ははは バカな、剣の鍛錬でもしておらぬかと思っただけだ。くだらぬ詮索だったようだ。」


「布で 大損をして少しでも、私の気持ちを味わうといいですわ ほっほっほ」

「そうでございますな、 年よりを集めて せいぜい 苦労すればいいのです わははは」


・・

王の間では。


王の間では 王の間の玉座の上に 置手紙が置かれていた。

それは 王からの手紙だった。


「大臣よ。 わしはサリーちゃんとしばらく 共に暮らそうと思う。

しかし 案ずるなベーレ国内におる。しばらく留守を任せたぞ 王様より」


王の間に 現れた大臣は手紙を読んで 体を震わせた。


「ついに 私の時代が来たぞ。ぐわぁっはは! ご先祖様はぁ~ついに・・ついにぃ↑↑」

大臣は涙を流した。 ずっと ずっと 耐えてきたのだ。

勇者の一族に虐げられる日々に!!

悪魔に怯える日々に!

王の居場所を探すのだ。そして・・・。 私が魔王になるのだ。

ワイロをくれた、人間のおかげで 私のような非力なものにもご先祖様の意志を

受け継ぐことが出来るようになりそうだ。

がははは!!

大臣は 一人でニヤニヤとした笑みを浮かべた、腰に差した「砂漠のナイフ」の装飾が

ロウソクの光を鈍く照り射返していた。

・・・・


一方 草原では トシユキが物資のことについて、

みんなに新しい仕組みの説明をしていた。


「物資の配給は されていると思いますが 

例えばサリーさんは卵が好きでブライさんはタバコが好きでしたよね?

ですので 物々交換をしていたと思うのですが、物々交換だと物を持ち歩かなければいけません。

交換してくれる相手が見つかるかもわかりません。

そこで この「お米券」を使ってみてください」


サリーちゃん? そう 実はここには王様も来ていた。

だけど 王様は見た目が変わっていたので誰からも気づかれることがなかったのだった。


「サリーちゃんが草原で暮らすと言い出して ついて来てみたがここの暮らしはまるで別世界じゃ。

動物と人間が共存しておる。そして のんびりしておるのぉ~。

トシユキが人間用に通貨の代わりになるものを作ってくれたおかげで

物々交換のために品物を毎日持ち歩かなくてもよくなったわい。

これで サリーちゃんに卵焼きのおねだりができるわい。わはは」


「ゲロゲロ」

「おお また 来てくれたのか、カエルさん。じゃが わしは虫が食べられないのじゃよ はっはは」



※「お米券」

通貨のように不死のものではなく 交換期限が6ヵ月間という寿命のある通貨。

草原での価値の基準は食料なので、保存期間も含めて6ヵ月くらいが丁度よかったし、限界でもあった。

しかし 通貨よりも優れている点は、仮に一人の人間が富を独占してしまっても6ヵ月しか持たないというもの。


つまり 金持ちになるという発想が難しくなるシステムだった、、が トシユキでは気づくはずもない

「人間たちと暮らす場合・・・・が必要でしょう。」

以前、女神様から聞いていた事だった。


数か月後

「 おお 若いのに熱心だねぇ 私が後で 織機の使い方を教えてあげましょう」


お年寄りが織物を織り若者がそれを手伝った。

若者にとっては 草原での暮らしのために、っという人もいたかもしれない。

でも お年寄りは自分の技術を 若い人たちに継承してもらえて嬉しかった。

自分も若いころに母親に糸の紡ぎ方を教わり、

それをまた伝えることが出来る。

お年寄りは自分の母親に言われた言葉を思い出した。

「私たちは糸が紡がれるように繋がっているのよ」っと。

この若者は 私とつながってくれるだろうか? 期待に胸が躍った。


そうして。。。。。。。 ついに 草原での織物1号が誕生したのだった。


「ネーミングはどうしようかしら?」

「草原、そうげん、そうだ モルモットさんたちの肥料で出来ているのよね?

じゃぁ  モルモットとコットンの一字を取ってモコモココットンなんて言うのはどうかしら?」


ほかにも 色々とネーミングは出たのだが モルモットと人間との協力で生まれたものということで

トシユキによって 「モコモココットン」という名前に決定した。


ベーレ国での売れ行きはもちろん絶好調!

物価が高いということもあるけど そもそも草原では原価がほとんどかからない。

高く売れることに越したことはないが 草原で調達できない「しこう品」を

ベーレ国で買って帰ることが出来るならそれで十分だった。




今日は 草原の広場で 宴が開かれていた。

「やっほーー!!」

「ホーホォー!!」


「トントトントントントオトン♪」

ゴブリンたちが こん棒を両手に持って、独特の片足でケンケンする踊りを踊る、

松明の 火の粉がキラキラと舞ってゴブリンたちを妖艶な姿へと引き立てているのであった、。

飲めや 食べやのお祝いだった。


トシユキが広場に出てきた。

「ええーと。皆さんのおかげで 第一号のモコモココットンは 完売しました!!」

「バンザーーイ」

「やほぉーーい」


大盛り上がりだ。

女神がいないのはさみしいけど、、女神様のおかげでもあるだろう。


トシユキの中で 温泉旅行は確定した。

女神様にお礼がしたい!! 温泉に入ったら逆に俺がお礼されちゃうかもだけど。

いいんだ だって 夫婦なんだから。


俺たちの織物産業は それからも順調だった。

外国からの安い織物なんて 全く気にならない。


そんなある日。

「トシユキよ。 わしの事を覚えておるか?」

「はて? 筋骨隆々で武人のよな出で立ちに見えますが、お会いしたことがありましたか?」

「わしじゃよ。わし! 王様じゃ! 見違えたであろう!サリーちゃんのおかげじゃがな」

「ゲロゲロ」


トシユキは 王様の変わってしまった姿に気が付かなかった。

でも ケロ子がそばにいたので王様に間違いないと思いなおした。

「ああ 王様! お久しぶりです!って どういうこと!!」


王様はサリーちゃんとの関係が続いていることと 最近カエルに妙に好かれているという、話をトシユキにした。


「それは そうでしょう~」


ケロ子は元王女様だから王様のそばを離れないようだ。

親子の対面が こんな形になってしまうのは残念だけど ケロ子も嬉しいだろう。



「のう トシユキよ。わしがそなたに話しかけたのは他でもない。

なぜ この村は通貨がないのに これほど旨くいっておるのだ??

ベーレ国では 通貨は潤沢になったが貧富の差が開いてしもうた。

これでは ただの無法地帯じゃ。なにか わしに知恵を授けてはくれぬか?」


「俺は 動物たちとずっと一緒に暮らしてきました。その生活に人を巻き込んでみたかったのです。

すこしルールは作りましたが 得意別なことはしていませんよ」


「うむ・・ 」

王様は 黙り込んで考えてしまった。

「ゲロゲロ」


ケロ子が 虫の差し入れを王に渡してきた。

「あ すまぬ。 ボリボリ・・ん! うまいのぉ 香ばしい・・ん でも なぜ違うのじゃろう・・」

王様は 虫と気づかずにピーナッツを食べるかのように食べていたのだった。


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